キリンビバレッジが展開する「午後の紅茶」シリーズは、2023~24年に2年連続で「夏のアイスティー」を訴求することで成長を遂げた。清涼飲料の中では珍しく、夏に伸び悩み、冬に好まれるという紅茶特有のデータを深掘りしたことが発端だ。午後の紅茶に対して顧客が抱く“2重の抵抗感”とは何だったのか。その抵抗感を突破するコミュニケーション施策を導き出した裏側に迫る。 キリンビバレッジ(東京・中野)は2030年までにヘルスサイエンス領域に注力すると宣言した。その挑戦を支えているのは同社の基幹ブランド。中でも、「午後の紅茶」シリーズは大きな力を発揮している。 午後の紅茶は、23年、24年と2年連続で、販売数量5000万ケースを突破した。特に同シリーズで売り上げの約6割を占める定番3品「ストレートティー」「レモンティー」「ミルクティー」については、24年の販売数量が前年比103%と伸長し、勢いに衰えは見られ