米長期国債の危険な押し目買いを狙った投資家たちが久々に利益を手にしている。 米国の財政悪化懸念から長期国債が売られていた過去1週間に、ブラックロックの上場投資信託(ETF)、「iシェアーズ米国債20年超ETF」(ティッカー:TLT)には18億ドル(2600億円)が流入。ブルームバーグが追跡するETF全630本の中で最多の資金流入だった。 これは結果として絶好のタイミングとなった。27日の取引では米国債相場が反発し、30年債利回りは5%を下回った。米欧間の貿易交渉への楽観と、日本が債券市場の安定化に向け国債発行計画を見直す可能性を示唆したことが背景だ。TLTはこの日、一時1.7%上昇し、2月以来最大の上昇率を記録する勢いとなった。 「ウィドウメーカー(寡婦製造機)」との汚名もあるTLTで利益が出るのはまれだ。TLTには過去5年間に490億ドルが流入したものの、その間に価格は40%余り下落して