軽症にもかかわらず救急車を呼んだり、治療費を踏み倒したりする悪質患者「モンスターペイシェント」が社会問題化する中、大阪府が、救急医療の適正利用を呼び掛ける広報活動などを予算化し、本格的な対策に乗り出すことが19日、わかった。軽症での救急医療利用率をめぐって大阪府は全国平均を大幅に上回っており、こうした施策は全国的にも例がないという。背景には「救急車はタダでトク」との考え方もかいま見えるが、医療現場からは「行政の呼び掛けにどこまで効果があるかは不透明」との声もあがっている。 府医療対策課によると、平成18年の府内の救急搬送人員は45万4630人で、10年間に1・54倍増加。うち軽症患者数は、18年の全国平均52%を大きく上回る64・9%にのぼる。 一方で、全国的な医師不足により救急病院勤務医の確保は困難な状況で、府内の救急医療機関は19年度末で260カ所と10年間に22カ所減少。軽症患者の救