頂点都市 (創元SF文庫) 作者:ラヴァンヤ・ラクシュミナラヤン東京創元社Amazonこの『頂点都市』は、生産性や思想のスコアで厳格に個々人の評価が管理され、下位の10%に選ばれてしまったら最後デジタル社会からはじき出されてしまうディストピア化した近未来の都市”頂点都市”を舞台にした連作短編集だ。著者のラヴァンヤ・ラクシュミナラヤンはインドの作家・ゲームデザイナーで、本作がデビュー作。 もともとあまり読み慣れないインド作家のSFという時点で(未知のものが読めそうなので)だいぶ期待していたが、本書はインドの出版社が刊行した作品ながらもアメリカでローカス賞短編集部門のファイナリストとなったり、イギリス版がアーサー・C・クラーク賞の候補になったりと評価が高く期待はさらに大きくなっていた。 ソーシャルなスコアが実際の生活に影響を与える未来というのはSF的には何ら新しいものではないし(そもそも中国を