近代日本の文明化と国民化 牧原憲夫著 ; 藤野裕子, 戸邉秀明編 (牧原憲夫著作選集, 下巻) 有志舎, 2019.9 タイトル読み キンダイ ニホン ノ ブンメイカ ト コクミンカ
近代日本の文明化と国民化 牧原憲夫著 ; 藤野裕子, 戸邉秀明編 (牧原憲夫著作選集, 下巻) 有志舎, 2019.9 タイトル読み キンダイ ニホン ノ ブンメイカ ト コクミンカ
『牧原憲夫著作選集』上・下巻(ともに本体2600円+税の予定)の再校ゲラが、編者の藤野裕子さん・戸邉秀明さんから戻ってきました。 まだまだアカ字が入っているので、もう一回、三校を編者に見せないといけません。 原典・原文に当たり直すだけでなく、牧原さんが残した発表後のメモなども参照しながら補注を入れるなどの編集作業をしているので、編者お二人もご苦労されていますが、こういう丁寧なお仕事をしていただいて本当に有り難いです。 この著作選集は、単行本を除いた故・牧原憲夫さんの論考の中から、代表的なものをセレクトし、それに入手困難な初期の作品や未発表論考も加えて編成した論集です。 加えて、編者二人による力のこもった長文の解説論文も「売り」となります。 まだまだ編集・校正は続きますが、何とか9月には出版したいと思っています。 もう少しお待ちください。
前回のブログの続きとして、かつて私が吉川弘文館勤務時代に編集させていただいた、牧原憲夫さん著『客分と国民のあいだ-近代民衆の政治意識-』の書名についての思い出話を書いておこうと思います。 このメインタイトルは牧原さん自身が提案されたものをそのまま採用させてもらいました。 牧原さんはその意味を特に説明されなかったと思いますが(「読めばわかるでしょ」という感じだった記憶があります)、このなかの「あいだ」は近世から近代への時間的な推移にともなう変化であり、また客分と国民という意識の間の違い・断絶を示しているということでしょう。 ただ、これだけでは書店で本を手にとった一般読者は内容を推測できない、と私は思いました。そもそも「客分」って何だ? ヤクザの助っ人のこと? 「あいだ」って何? と「?」マークが浮かぶだけとなりかねない。だから、サブタイトルで補足しましょうということで「近代民衆の政治意識」を
2016年7月20日、牧原憲夫さんは72歳の生涯をとじた。持病の気管支拡張症が悪化するなかでクモ膜下出血を併発し、4か月を超える闘病生活後に亡くなられた。 牧原さんとは、いくつもの場面を思い出す。なかでも、2004年12月、東京の国分寺駅南口の喫茶店で会ったことは忘れがたい。 当時、私は、小学館でスタートする「全集日本の歴史」の近現代の編集委員を引き受けていた。一人一冊を書く全集の近現代は四巻。執筆者で真っ先に浮かんだのは牧原さんだった。明治前期を牧原さんに引き受けてもらわなければ、近現代の巻構成は成り立たない。大げさに聞こえるかもしれないが、私は並々ならぬ決意をもって国分寺の喫茶店に向かった。 そのころ、牧原さんはすでに、岩波新書の「シリーズ日本近現代史」の一冊を引き受けられており、それを理由に小学館の依頼は固辞された。だが私は引き下がらなかった。ビルの2階の喫茶店の窓側で長い時間がすぎ
昨日、牧原憲夫さん(近代日本民衆史研究)が亡くなられました。 私としては何といっても『客分と国民のあいだ-近代民衆の政治意識-』(吉川弘文館)を編集させていただいた事。それが何よりの思い出です。 当時、私は吉川弘文館編集部にいましたが、「ニューヒストリー近代日本」シリーズの一冊として、それまで全く面識のなかった牧原さんに単著をお願いしたのは1995年くらいだったかと思います。が、いまとなっては記憶が定かではありません。 でも、最初は断られた事を憶えています。が、何とかねばって承諾いただいた。しかし、それからは早かった。たちまちのうちに書き上げてくれたと思います。 そして、原稿を初めて拝見したのは早稲田大学近くの旧い喫茶店でした。冒頭を読んだだけで、身が震えるほど感動しました。 たしか、牧原さんは「こんな事を書いてしまって、他の研究者からは総スカンをくってしまうかもしれませんね」となぜかニコ
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