車を走らせながら、レーガーのクラリネット・ソナタを聴く。 全3曲あるなかで、まだどれがどの曲とも分からない初心者状態。聴いているうちに、「あ、このメロディ聴いたことがある!」と思いつつ、運転しながらなのでジャケットを確かめることもしない。 聴きながら、いろんなことを連想する。 彼の五重奏曲は、少なくとも「良い!」と思えるほどには親しんだし、第1楽章と第4楽章は仲間と演奏もした。だから、彼のクラリネットソナタを聴いて感じる難解さも、なじみの難解さではある。 それでもやっぱり、変な曲だなぁ! 1小節か2小節か、そのぐらいの単位でめまぐるしく変わる調性。「当然こう行くよな」と思う音の帰着点が、いつもいつもはぐらかされてしまう。素人のど自慢の伴奏で有名なアコーディオン奏者が、歌っている途中でどんどんキイを変えて伴奏し、歌手を立ち往生させる悪戯があったけれど、あの感じに似ている。あるいは、キイが突然