あるところに、 お釈迦様が多くの人たちから 尊敬される姿を見て、 ひがんでいる男がいました。 「どうして、あんな男が みんなの尊敬を集めるのだ。 いまいましい」 男はそう言いながら、 お釈迦様をギャフンと言わせる ための作戦を練っていました。 ある日、その男は、 お釈迦様が毎日、同じ道のりを 散歩に出かけていることを知りました。 そこで、男は 散歩のルートで待ち伏せして、 群集の中で口汚くお釈迦さまを ののしってやることにしました。 「お釈迦の野郎、きっと、 おれに悪口を言われたら、 汚い言葉で言い返してくるだろう。 その様子を人々が見たら、 あいつの人気なんて、 アッという間に崩れるに違いない」 そして、その日が来ました。 男は、 お釈迦さまの前に立ちはだかって、 ひどい言葉を投げかけます。 お釈迦さまは、ただ黙って、 その男の言葉を聞いておられました。 弟子たちはくやしい気持ちで、 「