<アメリカの知日派が石破訪米を絶賛する一方で、トランプが本当に重視するのは「空気が読めるか」どうかではない> 日本人の「空気を読む」力と気配りの素晴らしさを説明するために、私はいつもスターバックスの例を挙げて説明してきた。六本木ヒルズのスターバックスで妻が座る席を探していて、コーヒーをこぼしたときのこと。彼女がスタッフに声をかけるより早く、椅子に座る前に代わりのコーヒーが親切な笑顔と一緒に無料で届けられた。 だが、どうやらそれも終わりだ。石破茂首相は気性の荒いアメリカ大統領との初会談という大舞台で抜群のパフォーマンスを披露した。 複数の専門家に話を聞いたところ、共通のコメントが2つあった。まず、トランプ米大統領が就任式で使った「新たな黄金時代」というフレーズを、日米関係の「新たな黄金時代」と言い換えた言語センスの巧みさ。日本をアメリカの敵国扱いしていた1980年代にトランプの地政学的世界観