干ばつと紛争で混乱するアフガニスタンとパキスタンの国境地帯で、医療活動や農業支援を続ける福岡市のNGO「ペシャワール会」が4日、同市早良区で活動報告会を開いた。現地代表の中村哲医師(64)は「三陸海岸の村を津波が襲ったように、干ばつで廃村になる事態が今も続いている」と訴え、活動への協力を呼び掛けた。約250人が詰めかけ、会場はいっぱい。壇上に上がって耳を傾ける参加者の姿もあった。 会は昨年3月、全長25・5キロの農業用水路をアフガン東部のクナール川沿いに造成。同7月の大洪水で一部の取水ぜきは崩壊したが地道に改修を進めた。秋には最下流の砂漠緑化を成し遂げ、水稲や果物を収穫したという。中村医師は「現地作業員の気迫と(募金を続ける)日本の良心が結びついた証しだ」と語った。 また、中村医師は福島第1原発事故に触れ、「農業用水路の護岸や取水ぜきには、洪水を分散して流す日本の伝統的な治水工法を取り入れ
原子力発電所に頼らなくても、政府が掲げる温暖化対策の目標「2020年までに温室効果ガス排出量を90年比25%削減」は達成できるとする試算を、環境NGO「気候ネットワーク」(浅岡美恵代表)が19日、公表した。再生可能エネルギーを増やすほか、火力発電の燃料を二酸化炭素(CO2)排出量が比較的少ない天然ガスに切り替える内容だ。 試算は、余裕をもって25%減を達成するために、目標値を「28%減」と設定。東京電力の福島第一原発と第二原発を停止するほか、稼働から40年を過ぎた原発を順次止めていき、20年時点で現在の計54基から計22基に減らす。粗鋼生産量や交通量は、25%減に向けた政府試算の前提にほぼ沿った。 原発9基を新増設する政府試算と比べると、原発によるエネルギー供給量は約4分の1に。CO2排出量が多い石炭と石油も減らす。将来的には風力や太陽光などの再生可能エネルギーで大半の電力を賄うことを
貧困層の自立を目指し、仏教圏の僧侶による人道支援ネットワーク「四方(しほう)僧伽(さんが)」が設立した出資銀行「仏(ぶっ)陀(だ)バンク」がアジア各国に広がっている。この1年半の間に6カ国の農村で資金が利用され、自立を果たした人からの返済率は99%。発案した福岡県朝倉市の報恩寺副住職、井本勝幸さん(45)は「住民が食べるのに困らない状態にしたい」と、さらなる輪の広がりを狙う。 仏陀バンクは、住民一人一人の経済的な自立を目標に、事業を始める個人に無利子で出資するシステム。資金はすべて四方僧伽のネットワークで集まったお布施でまかない、各地区の「仏陀バンク委員会」が借り手の事業、返済計画を審査し、出資している。 貸出先はアヒル養殖の主婦やバイクの修理屋、雑貨商、薬局などさまざまで、昨年4月にカンボジアでスタートして以降、バングラデシュやタイ、スリランカなど計6カ国、19カ所の農村部に拠点が拡大し
「化石賞」授賞式。COP15の交渉に後ろ向きとして日本に贈られた=12日、コペンハーゲン、石井写す 【コペンハーゲン=石井徹】国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP15)に参加している国際的な環境NGOは12日、日本が交渉進展を阻んだとして「化石賞」を贈った。交渉のたたき台である国連作業部会議長案が、温室効果ガス排出の削減を先進国にだけ義務づける京都議定書を、2013年以降も延長することを提案したことに日本が反対しているためだ。 同日にコペンハーゲン入りした小沢鋭仁環境相は化石賞受賞について、「まったく納得できない。(NGOは)主要排出国である米国や中国に削減義務がない京都議定書でもいいと考えているのか。逆に聞いてみたい」と疑問を呈した。 鳩山由紀夫首相が9月の国連気候変動サミットで、日本の20年までの削減目標を「1990年比25%削減」に引き上げ、NGOから高い評価を得た。だが、
衆院解散、総選挙決定とともに、北朝鮮関連船舶の貨物検査を可能にする特別措置法案が流れ去った。核実験を強行した北朝鮮への国連安保理事会の制裁決議の実行は各国の実行にまかされている。急先鋒(せんぽう)だった日本がこうでは、制裁決議が空文化しかねない。 関連記事北制裁で5人の渡航禁止、5社の資産を…中国、北朝鮮高官個人への制裁に同意 …記事本文の続き 問題は、国連の制裁決議の北にとって最も打撃になるはずの金融制裁で、肝心の中国が実行に消極的だ。そうはさせじ、と活躍しているのが日本の草の根である。そのターゲットは本シリーズ前回(103回)で紹介した「朝鮮ファンド」である。 ■シンガポールは攻略 「横田夫妻ら拉致被害者家族を支援する群馬ボランティアの会」のホームページによれば、米国の首都ワシントンの非政府団体(NGO)「しおかぜネットワーク・ワシントンDC」の加藤健さんが7月9日付で次のようなメ
【ロンドン=土佐茂生】ロック歌手ボノさんらが立ち上げた、アフリカの貧困撲滅を目指す国際NGO「ONE」は11日、ロンドンで記者会見を開き、G8各国がアフリカ支援額を10年までに倍増するとした約束の進み具合を発表した。08年末時点で目標の3分の1しか拠出されておらず、特に今年のG8開催国イタリアとフランスが履行できていないという。 05年の英グレンイーグルズ・サミットでは、政府の途上国援助(ODA)を10年までに年間250億ドル(約2兆4千億円)増額すると決めた。 ONEによると、G8(ロシアを除く)各国が約束した約215億ドル分について、08年末時点で3分の1にあたる約70億ドルしか拠出されていないという。 09年分は約30億ドルしか見込めず、足りない原因の8割は、アフリカ向けのODAを削減したイタリアとフランスの両国にあると指摘した。会見したONEメンバーで歌手ボブ・ゲルドフさんは
イスラエルの文学賞、エルサレム賞の受賞が決まった作家の村上春樹氏に対し、大阪市に拠点を置く非政府組織(NGO)「パレスチナの平和を考える会」がウェブサイトに掲載した公開書簡で「受賞はイスラエルの対パレスチナ政策を擁護することになる」として受賞辞退を求め、賛同者を集めている。 同賞は「社会における個人の自由の理念を表現した著作の筆者」に与えられる。 書簡は、イスラエルがパレスチナ自治区ガザで行った「虐殺や封鎖政策などはパレスチナ人の自由を抹殺する行為」だと指摘。村上氏の受賞により「イスラエルがあたかも自由を尊重している国であるかのようなイメージが流布される」と懸念を示している。 書簡への賛同を示す署名は欧米諸国を中心に800件に達した。主催者のウェブサイトによると、村上氏は15日にエルサレムで開かれる授賞式に出席する意向を示した。 同会の役重善洋事務局長は「受賞はイスラエルの人道犯罪に加担す
ボランティア、なんて呼ぶから心得違いも出る。かつては「義勇兵」と訳されていました。「義」に勇む。いい表現じゃないですか。こういう翻訳を可能にした明治時代の日本人ってのは、まっとうな国際感覚してたんだなあ、と思います。 義勇兵なんだからそりゃ危ない。いくら憲法9条を日夜勤行、信心深く唱えたところで、世界はそんなこと知ったこっちゃない。死ぬことだってある。ましてや、渡航危険度世界トップクラスのアフガン。そんな土地であえて義勇兵として長年活動してきた中、今回遭難した伊藤和也さんは、彼の「義」に殉じたと言えましょう。農業技術の指導をしていた由。属していた団体はもともと医療活動から始まったNGO。「平和憲法」に信を置いた「義」によるボランティアだからこそ地元の人々の「信頼」を得ていた、それはある程度事実でしょうし、何より、その行為に向かわせるものはひとまず「善意」、ではありましょう。 ならばなおのこ
アフガニスタン東部のジャララバード近郊で日本のNGO(非政府組織)「ペシャワール会」(本部・福岡市)ボランティアの伊藤和也さん(31)=静岡県掛川市出身=が拉致された事件で、山本一太外務副大臣は27日夜に緊急記者会見を開き、拉致現場近くで日本人男性の遺体が発見され、伊藤さん本人と確認されたと発表した。反政府勢力タリバンの報道官は同日夜、共同通信の電話取材に対し「日本人を殺害した」と述べた。 山本氏によると、在アフガニスタンの日本大使館員が日本時間同日午後9時20分、ジャララバード市内の病院で、伊藤さんをよく知る医師とともに遺体と面会し、顔やひげ、衣服などの身体的特徴から本人と確認したという。 政府は伊藤さんの遺体をカブールに移送する。日本への帰国については「遺族と相談する」(山本氏)という。 山本氏は会見で「アフガニスタンのために働いている人が、なぜこういう形で命を落とさなければなら
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く