僕の頭の中には、「無意味マン」が住んでいる。何か新しいことを始めようとしたときや、書店で目に留まった本を買おうか悩んでいるとき、はたまた友人から遊びに誘われたときなどに、そいつは決まって僕にこう語りかけてくる。 「それって、意味があることなの?」 その声が聞こえてくるたびに、僕は脳内でこう答えるのだ。──何を仰りやがりますか。この世の中に無意味なことなんて、そうそうありゃしないってもんですよ──と。 そりゃあ準備もせずに新しいことを始めれば、痛い目を見るかもしれない。ろくに内容も確認せずに本を買って、あまりのつまらなさに後悔するかもしれない。友人と遊びに行っても楽しめないかもしれないし、もしかしたら急に壺を売りつけられられるかもしれない。……知り合いにそんな人はいないと思うけどね! たぶん! もちろん言うまでもなく、このような不安のほとんどは杞憂に終わる。新しい活動は日々に彩りを与えてくれ