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読書に関するnijuusannmiriのブックマーク (670)

  • [書評] 9.11後の現代史(酒井啓子): 極東ブログ

    『9.11後の現代史』(参照)という表題になっているが、9.11後の現代史の全体を扱った書籍ではない。ロシア中国、東アジア、南米などの処地域やジオポリティクなパワー、また分野としては金融や経済、サイバー戦争といった側面など、9.11後の現代史を特徴つける諸要素も含まれていない。その意味で、9.11後の現代史を俯瞰する書籍ではないが、中近東の現在とそれが世界にもたらす影響についてはほぼ網羅的に扱われているうえ、簡素に読める点で貴重な書籍となっている。その思いは著者の次の言葉にまとめられるだろう。 《書は、21世紀の中東しか知らない若者には、「今見ている世界と中東がこんなに怖いことになってしまったのは、そんなに昔からじゃないんだよ」と伝え、20世紀の中東を見てきた少し年嵩の人たちには、なぜ世界と中東がこんなことになってしまったのかを考える糸口を示すために書かれたものである。》 内容について

  • [書評] 離婚してもいいですか?(野原広子): 極東ブログ

    「卵でカンタンおかず」という表紙に惹かれて、雑誌『レタスクラブ』(参照)を手にしたら、『離婚してもいいですか?』という漫画があった。これ、一冊分まるごと入っているのかなとさして考えもせずに読んでて、ぷちくなった。 簡単にいうと、普通の主婦が離婚しようかなと思う日常がさりげなく淡い線画で描かれているのだが、そのさりげなさがかえって、あまりにも日常的にあるあるな状況なので、なんだろ、とても痛い。まあ、自分の場合は、既婚男性なんで、女からこう見られているのかあ、という痛さもあるのだが、結婚の真相っていうのは、こういうものだよねというリアリティがずさずさくる。なんだこの漫画と思ったら、以前からこの雑誌に連載していたものらしい。そして、4月には単行になるらしい。という過程で、これ、『離婚してもいいですか? 翔子の場合』というバージョンで、2014年に前作『離婚してもいいですか』があるのを知り、な

    nijuusannmiri
    nijuusannmiri 2018/02/25
    あー、これ、ほんとそう。「結婚生活は細部に宿る」
  • [書評] 漫画 君たちはどう生きるか(吉野源三郎・著、羽賀翔一・漫画): 極東ブログ

    漫画版を読んでみた。あの原作を現代でもウケるように上手に漫画化するものだなあと感心した。同時に、読みやすくよく練られた漫画ではあるが、たとえば『ヒストリエ』で「天下の大将軍」といったギャグを諧謔に含めるような、漫画特有の自己相対化の精神は見られない。そうした点で漫画の精神としてずいぶんと痩せた作品だなとも思った。 なぜ今売れているのかということでは、一つには、次期ジブリ作品との連想と、私より上の世代、団塊世代のノスタルジーはあるだろう。後者については、NHKでも取り上げられていた。 原作の内容については、現在の時点で批判しても意味はないようには思えた。すでによく知られているように岩波文庫版では、それ自体が歴史的な価値を持つ丸山眞男の解説があり、そこできちんと「生産関係」の説明から同書が資論の入門書になっていることが示されている。丸山はそこに評価のポイントを置いているが、ようするに入門書と

    nijuusannmiri
    nijuusannmiri 2018/02/11
    原作も含めて読めてないが、今の俺もこっち寄りかな。“「君たちはどう生きるか」と問われるなら、できるかぎり、他人のことなど気にしないで自分勝手に、自分の快楽を主に生きていけばいい。それだけではないのか”
  • [書評] モンプチ 嫁はフランス人③ (じゃんぽーる西): 極東ブログ

    奥付を見ると2018年2月15日とあるので、ちょっと未来を先取りしたような気がするが、ツイッターでカレンさんの、『モンプチ 嫁はフランス人③』(参照)が発売された、という話のツイートを見て、そのままポチったら今日届いた。早速、読んだ。面白かった。というか、書籍としてのオチというか、エンディングというか、知らないでいたので、すごいびっくりした。「完」と書かれたページを見ると、ぐぉぉんと感動するものがある。ネタバレはしない。 「嫁はフランス人」の既刊も読んでいるので思うのだけど、なんというのか、こうして時系列で読んでいくと、そこにはたくまざるドラマがあるものだと思う。事実は小説より奇なり、というのか。もちろん書の話も大半は、作者・じゃんぽーる西さんの普通の日常であり、日常の断片でしかないとも言える。主に育児と主夫の、普通の日常である。だが、それが面白い。作者の漫画の才能のなせるところでもある

    nijuusannmiri
    nijuusannmiri 2018/02/10
    「つまり、ここに描かれているのは、異文化の国際結婚という話題ではなく、新しいタイプの愛と家庭のありかたの、普通のモデルだと思える」
  • [書評] 男が痴漢になる理由(斉藤章佳): 極東ブログ

    書名に惹かれて読むというタイプのがある。この『男が痴漢になる理由(斉藤章佳)』(参照)もそれである。私は男性だが、なぜ男性の一部が痴漢になるのか、正直なところまったくわからない。こう言うとしらばっくれたように受け取る向きもあるだろうが、痴漢というものにまったく共感的な了解ができない。ついでに言うと、下着泥棒というのもまったくわからない。ただ、これら二種について言うなら、どうやら下着泥棒というのは、日に特有と言ってよいらしく、基的に市場価値のないものを盗むというのは国際的にはなさそうだ。そして痴漢もそれに類する日特有の現象のようでもある。つまり、痴漢も下着泥棒も日文化的な現象かもしれない。とはいえ、書を読んでみて、そういう部分の説明として照合するものは明示的にはなかったように思う。 著者は「精神保健福祉士」で、書もその経験によって書かれているので、客観的な全体的な分析とは言えな

    nijuusannmiri
    nijuusannmiri 2018/01/30
    治療的アプローチでは難しい、ということだろうか。「本書に挙げられている事例からの私の印象では、痴漢はむしろサイコパスに近いようなものである」
  • [書評] フランス現代史 隠された記憶(宮川裕章): 極東ブログ

    56歳過ぎて始めたフランス語だが、フランス語はラテン語とは異なり、現在でもフランスを中心に話されている言葉である。そうした生きている言語を学ぶのであれば、書籍やオーディオ教材ばかりを使っているのではなく、ちゃんとネイティブのフランス人から直接学ぶべきだろう。ということで、昨年から語学校や大学が提供している語学の講座に通ってネイティブのフランス人からで学ぶようにしている。フランス語の授業というより、全部フランス語で行われる授業なので、それなりにタフではある。 いくつか講座を取った。基は会話が中心だが、購読的な授業もあったほうがいいと思い、「A la page 2017」という読解中心教材を使う講座も受講した。文章のレベルは仏検準2級程度なので、それほど難しい文章ではない。内容は、現代フランスを知るための多面的な題材を扱っている。授業ではさらに関連事項の説明や補足説明、時事の関連、ディスカッ

    nijuusannmiri
    nijuusannmiri 2018/01/24
    “歴史をアイロニカルに見たいわけではないが、歴史のなかにある「正義」の視点が注入されたとき、かならず零れ落ちるものがあり、そこをのぞき込むと、しばしば深い傷が秘められている”
  • [書評] 職業としての地下アイドル(姫乃たま): 極東ブログ

    『職業としての地下アイドル』(参照)という書名がマックス・ウェーバーの主著のもじりであることはさておき、「地下アイドル」とは何か、という関心が、それを知らない人にとってこの書名でまず関心をひくところだろう。「そんなことも知らないの?」という人でなければ、「地下出版」「地下教会」というように「当局から弾圧される文化活動としてのアイドル」を連想するかもしれない。が、そうではない。 書冒頭に定義は書かれているが、いわゆるメディアに出てくる芸能人アイドルが仮想の対比としての「地上アイドル」であり、そうしたメディア的な世界から離れ、小規模のライブ活動をしているのが「地下アイドル」である。メジャー・デビューを夢見ているアイドル活動と言ってもいいかもしれないし、実際書を読むとそういう過程として「地下アイドル」が位置づけられ意識されている事例も多いこともわかる。 他方、「地下アイドル」について知ってい

  • [書評] ごまかさない仏教(佐々木閑・宮崎哲弥): 極東ブログ

    仏教学者の佐々木閑に、仏教者と称する評論家・宮崎哲弥が、仏教とは何かといったことを問うという、出版社あるあるの対談書だろうと、『ごまかさない仏教(佐々木閑・宮崎哲弥)』(参照)について予断をもっていた。というのも、宮崎について、もうずいぶん昔になる、というか曲がりなりにも小林よしのりのゴーマニズム宣言を読んでいたころのことだ、宮崎が仏教者であることがその漫画でおちょくられていた。小林に共感しない私ではあったが、宮崎の仏教観もヘンテコなものだなと思ったものだった。人の宗教観というのは存外に変わらないものだから、宮崎のそれも同じだろうし、佐々木も最近の国際的な仏教学を知識を淡々と語るくらいかな、いずれ私が読むような対談でもあるまいと思っていた。『ゆかいな仏教 』(参照)みたいなかなと。 が、この『ごまかさない仏教』は、そうでもなかった。おもしろい。読み進めるにつれ、勉強になってしまうのであ

  • [書評] 北朝鮮 核の資金源(古川勝久): 極東ブログ

    北朝鮮の工作員が日に多数いるとか、彼らは国際的に活動しているとか、「まあ、そんなの常識として知っていますよ」と言いたくなるが、書を読んでみると、なんというのだろう、うなだれてしまう。ある種、絶望感のようなものも感じる。ここまで実態はひどいのか。あえて「私たち」と言いたいのだけど、私たちはこの問題に実際は目をつぶっていたのだなと後悔する。 書『北朝鮮 核の資金源(古川勝久)』(参照)は副題に『「国連捜査」秘録』とある。著者は国連安保理の下に置かれた北朝鮮制裁担当の専門家パネルに2011年10月から2016年4月まで4年半所属し、北朝鮮の国際的な暗躍を詳細に調べ上げてきた。日国内はもとより各国に足を延ばし、国連による北朝鮮制裁を北朝鮮がどのように違反し、またどのように、ミサイルや原爆の開発部品の調達や技術収集、さらにそのための資金調達を行ってきたか、それを丹念に調べた記録が書である。

  • 119 わが心のフラッシュマン ロマン革命 Part1 - 栗本薫 全著作レビュー(浜名湖うなぎ) - カクヨム

    1988.08/筑摩書房 1991.12/ちくま文庫 <電子書籍> 無 【評】うなぎ∈(゚◎゚)∋ ●中島梓の真骨頂 テレビ放映を一度も見ることなく特撮番組『超新星フラッシュマン』にハマった息子の姿を契機に、人間と物語の在り方について論じたエッセイとも評論ともつかない。 このの評を書くにあたって大変に困っている。 書はなんというか、とにかくフリーダムなのだ。エッセイなのか、評論なのか、それすらもわからない。類似したを見たこともない。 四歳の息子が特撮番組『超新星フラッシュマン』にハマったことをきっかけに、大人の視線からはかくもちゃちに見えるものをなぜ子供が求めたのか、それを敷衍して思索し、人間には物語が必要だからであるという論を展開しているというのが、書の概要といえば概要なのだが、それだけを語るには、なんというか、あまりにも論に寄り道が多く、そして特撮に対する言葉が過ぎている。

    119 わが心のフラッシュマン ロマン革命 Part1 - 栗本薫 全著作レビュー(浜名湖うなぎ) - カクヨム
    nijuusannmiri
    nijuusannmiri 2017/12/24
    これ、中学生の時に読んだな。また読むか?
  • [書評] 自閉症の世界 多様性に満ちた内面の真実(スティーブ・シルバーマン): 極東ブログ

    かつての漫画家というべきなのかためらうが、私がよく馴染み、また難病を抱え込んでいるという点でも共感をもってきた漫画家さかもと未明さんが、もう数年前になるが、精神科医から発達障害だと診断され、『まさか発達障害だったなんて』(参照)や『奥さまは発達障害』(参照)という書籍で、いわばカミングアウトに近い形でそうした障害を抱えた自分を受け止めて表現しているのを知り、率直、その点、よかったねさかもとさんという思いと、他方、もにょんとした思いもあった。 まず、難病というのは経験者の側になるととんでもない弱者として世界に置かれたようないいようのない不安に陥る。この感覚はできるだけ自著にも書いたが難しいものだった(自著への揶揄を受けるたびに書かないほうがよかったかとも悔やんだ)。そして一人ではもう生きられないという弱者自覚は、もう自分は他者からの慈愛を請うしかないのだ、もう一人孤独に悪ぶっては生きられない

    [書評] 自閉症の世界 多様性に満ちた内面の真実(スティーブ・シルバーマン): 極東ブログ
    nijuusannmiri
    nijuusannmiri 2017/06/23
    これはそう思う。「自閉スペクトラム症と診断される人は社会的な援助が必要であることは論をまたないとして、それは「治療」という枠組みに置かれるものだろうか」
  • [書評] 現代ニッポン論壇事情 社会批評の30年史(北田暁大、栗原裕一郎、後藤和智): 極東ブログ

    書(参照)は、北田暁大氏が、内田樹氏による2013年の発言「私は今の30代後半から45歳前後の世代が、申し訳ないですが、”日際弱の世代”と考えています」に刺激されて、栗原裕一郎氏と後藤和智氏の二氏に呼びかけて実現した対談である。 内容は、内田樹氏に概ね総括される世代の社会観と社会批評・言論活動についての批評を対談的に展開したものである。役回りとしては、主にではあるが、北田氏が論壇的動向での分析、栗原氏が内田氏の世代に特有の経済学的知見の欠落指摘、後藤氏が内田氏の世代の議論に特有な恣意性への指摘、というふうに読めた。三氏の意見は、ネットから眺めている世論の風景にはよく整合している印象はあり、イケダハヤト氏といった名前も見える。まさかと思って私への言及も探したがなかった(そんなことは当たり前ではないかと某氏にまた自己認識がうかがわれるとか指摘されそうだが、2006年の梅田望夫氏の『ウェブ進

    [書評] 現代ニッポン論壇事情 社会批評の30年史(北田暁大、栗原裕一郎、後藤和智): 極東ブログ
  • [書評] 超一極集中社会アメリカの暴走 (小林由美): 極東ブログ

    昨日の書評カテゴリーの記事で、僕は日の産業や技術を少し悲観的に見ていると書き、その理由は別の書評カテゴリーの記事で書くつもりでいることを書いた。これがそれになる。『超一極集中社会アメリカの暴走』(参照)という3月に出たである。 表題は内容をよく表しているといっていい。現在の米国では、富が超一極集中しているという事実について、この分野にいる著者らしいデータを元にした議論が進められている。私たち日人の多くは、米国社会で富の一極集中が起こり、その暴走の派生として、サンダース候補ブームやトランプ政権支持のような異常とも言える事態が起きたことは知っている。しかし、その内実の仕組みについては、識者はある程度知っているが、日社会としてはあまり知られているとは言えないだろう。書は、その仕組みが広範囲にわたって示されている。 扱われる分野は多岐になり、そのぶん、個々の技術についての考察については、

    [書評] 超一極集中社会アメリカの暴走 (小林由美): 極東ブログ
  • [書評] 東芝解体 電機メーカーが消える日(大西康之): 極東ブログ

    他の人にはどうでもいいことなのだが、私は関東逓信病院で生まれた。父がNTTの前身、電電公社員だったからである。そして、「逓信病院」という名称が残すように、電電公社となる以前、その病院は逓信省に所属していた。つまり、現在の民営化NTTもこの名前の病院と同じ道を辿り、国家機関から公社を経ていた。 父は晩年、年金の関連で、戦後のごちゃごちゃしていた時代について自身の記憶で整理し、当初、逓信省の公務員であったことを証明していた。そこに何か誇りのようなものがあったのか今となってはわからないが、彼はまた、NTTの民営化を嫌ってもいた。その前に辞めた。そうした電電マンの父が私に残してくれた言葉がある。「いいか、電電公社というのはダルマだ。手も足もないんだ。だから手と足を大切にしなければ、前に進めないんだ」と。 父は、自身は嫌っていたNTTではあっても息子の私がそこに就職することを望んでいたのではないかと

    [書評] 東芝解体 電機メーカーが消える日(大西康之): 極東ブログ
    nijuusannmiri
    nijuusannmiri 2017/06/20
    「そして、皮肉なことに、このダルマ本体のほうが、日本国家の経営能力の低下で倒れた。手足も腐った」
  • [書評] すごい進化 「一見すると不合理」の謎を解く(鈴木紀之): 極東ブログ

    「すごい進化」(参照)というように口語で書名を表現されると、何かとてつもない進化を遂げた生物の事例を扱う書籍のように思える。が、書の内容は副題にある「『一見すると不合理』の謎を解く」に近い。ダーウィニズムの自然淘汰の考えからすると、「一見すると不合理」な進化を遂げた生物についてどのような説明を与えることができるか、ということを扱っている。 そして結論から言えば、「謎を解く」には至っていない。1つの解法視点の提起ではあるが、むしろそこが書の面白さである。 問題の基的な枠組みは、自然淘汰の原理をどのように扱うかである。 現在進化生物学者の中で自然淘汰の原理を完全に否定している人はまずいません。しかし、進化を自然淘汰でどこまで説明できるか、すなわち「進化はすごい」とどれだけ信じているかという点については、研究者の間でさえ驚くほどの違いがあります。「進化はそれほどすごくない」というスタンスで

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  • [書評] 我々みんなが科学の専門家なのか?(ハリー・コリンズ): 極東ブログ

    「我々みんなが科学の専門家なのか?」という書名は、わかりやすそうでわかりづらそうに思える。というのは、その問いは修辞的であって、自明に「No。我々みんなが科学の専門家ではない」ということを導くかに思えるからだ。だがおそらく、この書名に対してそのように端的に、ただNo、というのであれば、恐らく誤読となるのではないだろうか、と読後思った。 というのは、現代社会にもたらす科学的知識の問題の大きな一面は、実際上、「我々みんなが科学の専門家たりうる」ということを前提にしているからだ。 書でも述べられているが、簡単に言えば、科学者でなくても、所定の知的訓練をしてきた人間であえれば、科学分野の論文の概要を正確に読みこなし、それを基礎づけとして、持論を展開することができるからだ。書の問題提起は、まさに、そのことが問題なのだということである。 その背景にはもうひとつ大きな問題が横たわっている。科学的な真

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  • [書評] 聖なる道を歩く 黙想と祈りのラビリンス・ウォーク(ローレン・アートレス): 極東ブログ

    先日チャペルの前を通りがかると何か案内の人がいてイベントをしているらしく、聞いてみると「ラビリンス」だという。簡単な説明も受けるがなんのことかわからない。おそらく上座部仏教的な歩く瞑想、あるいは歩く祈りのようなもののキリスト教バージョンではないかと思い、時間もあったのでとにかく体験してみることにした。 チャペルに入る。薄暗く、見渡すと私以外の人はいない。いくつかキャンドルがともりコプト教を連想させる音楽が流れ、いかにも神秘的な演出となっている。椅子は後方に片付けられ、床に大きな布が敷いてあり、そこに円周を基にした迷路のような柄が描かれている。つまり、それがラビリンスなのだろう。を脱いでお歩きください、とのこと。やはり歩く瞑想であったかなと思う。 ラビリンスの入り口はわかるが出口はない。中央に花の形のスペースがあり、そこが中央で、たぶん、そこに入ったら来た道を引き返せということだろう。

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  • [書評] そろそろ、人工知能の真実を話そう(ジャン=ガブリエル・ガナシア): 極東ブログ

    昨日、フランス大使館を筆頭に内閣府や森美術館が主催した日仏フォーラム「人工知能は社会をどのように変えるのか?」に参加した。終日にわたる時間を費やした内容の濃いフォーラムであった。得るものは大きかった。フォーラムの紹介文書はいまだPDF形式でダウンロードできる(参照PDF)。 また、この手のフォーラムにありがちな英語=国際語ということもなく、進行案内はすべてフランス語でなされた(ただしフォーラム司会は日語)。つまり、日語とフランス語のみのフォーラムだったのである。その点でも興味深いものだった。熱く語れるフランス語の議論を聞いていると、フランス国内ではこうした熱意で日々弁論が交わされているのだろと確信された。 このフォーラムのパネリストの一人が書の著者ジャン=ガブリエル・ガナシア教授である。発言が興味深かったので、もう少しその思索について知りたいと思っているところ、会場で同書が販売されて

    [書評] そろそろ、人工知能の真実を話そう(ジャン=ガブリエル・ガナシア): 極東ブログ
  • [書評] 安達峰一郎 日本の外交官から世界の裁判官へ(柳原正治、篠原初枝ほか): 極東ブログ

    現在、国際法について放送大学の講義を楽しく聴講している。講師の柳原正治教授の説明が明快で示唆深い。もう少し国際法を学びたいなと思わせる講義だし、テキストには参考書やまた講義中にも推薦書の話が出てくる。とはいえ、それはそれとして、柳原正治先生の近著はなんだろうかと調べたら、この書籍、『安達峰一郎 日の外交官から世界の裁判官へ』があった。 恥ずかしいことに、安達峰一郎って誰?とその時思った。もちろん、そういうとき現代人ならググればいいと思いがちだし、たしかにググってみるといろいろ情報もあることがわかる。そしてそれらの情報もよく整備されている。 また私は無知だったが、近年テレビ番組や雑誌などでも、知られざる国際著名人のような話題にもなっていたらしい(そのわりに新書などの一般書はなさそう)。ただ、私としての、その「誰?」感を元に書を紐解くと巻頭というか「はしがき」に、柳原氏の説明がこうあり、そ

    [書評] 安達峰一郎 日本の外交官から世界の裁判官へ(柳原正治、篠原初枝ほか): 極東ブログ
  • [書評] ミクロの窓から宇宙をさぐる (藤田貢崇): 極東ブログ

    米国のハイスクールドラマやSFドラマが好きなのでよく見るが、どうも米国の高校ではアインシュタインの特殊相対性理論のE=mc2について、それがなんであるのかというレベルでは教えているように感じられる。もちろん、米国の初等教育というのは多様だし、理数系の初等教育全体としては日のそれよりは低いだろうから、教えてないところもあるだろうし、ましてなぜE=mc2になるのかについてまでは教えてはいないだろう。まあそれでも、アインシュタインの特殊相対性理論と関連で、E=mc2かあ、くらいの知識は米人の高校生は少なくはないのではないか。 対して、日の初等教育ではどうなんだろう。義務教育で特殊相対性理論について、せめてそれがなんであるか、また、E=mc2というのは、雑駁に言えばどういう意味があるのか、ということについて、教えているのだろうか? どうも教えていないように思える。 どう教えるかという問題はある

    [書評] ミクロの窓から宇宙をさぐる (藤田貢崇): 極東ブログ
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