cakesは2022年8月31日に終了いたしました。 10年間の長きにわたり、ご愛読ありがとうございました。 2022年9月1日
書名に惹かれて読むというタイプの本がある。この『男が痴漢になる理由(斉藤章佳)』(参照)もそれである。私は男性だが、なぜ男性の一部が痴漢になるのか、正直なところまったくわからない。こう言うとしらばっくれたように受け取る向きもあるだろうが、痴漢というものにまったく共感的な了解ができない。ついでに言うと、下着泥棒というのもまったくわからない。ただ、これら二種について言うなら、どうやら下着泥棒というのは、日本に特有と言ってよいらしく、基本的に市場価値のないものを盗むというのは国際的にはなさそうだ。そして痴漢もそれに類する日本特有の現象のようでもある。つまり、痴漢も下着泥棒も日本文化的な現象かもしれない。とはいえ、本書を読んでみて、そういう部分の説明として照合するものは明示的にはなかったように思う。 著者は「精神保健福祉士」で、本書もその経験によって書かれているので、客観的な全体的な分析とは言えな
この数年、大きな問題となった「AV出演強要」。AV業界改革推進有識者委員会に参加した桐蔭横浜大学教授・副学長の河合幹雄さんが第一回AV業界アンケート調査も紹介しながら、問題点と解決への取り組みを語る。 前編はこちら:「AV出演強要」何が問題だったのか? https://gendai.media/articles/-/54218 AV業界アンケートの調査結果AV女優が主体でプロダクションを雇う形で考えていくと、これまでの慣習的なやり方は大幅に変わらざるを得ない。対応に苦労したのは以下に述べる2点であった。 第一は、業界での言葉では「総ギャラ提示」の問題である。 仕組みを説明しながら解説したい。メーカーが映像作品を制作するので、監督、撮影助手、男優、撮影場所等を用意し、プロダクションは女優を連れてくるのが仕事である。 メーカーは業界健全化の意識は高いのだが、最もデリケートな女優の扱いを全てプロ
謎に包まれていたAV業界 2016年3月3日、NGOのヒューマンライツナウ(以下HRN)が、AV業界で女優に対する「出演強要」が起きていることをレポートし法規制による対応を国に求めた。 内閣府の男女共同参画会議が動き、主要新聞、週刊誌等が挙って報道した。警察も動き、2016年に労働者派遣法違反でプロダクション代表を逮捕、有罪になっている。 その後、不起訴にはなっているが公然わいせつ罪容疑も含めて、ガサ入れが続き、2017年1月には、裏ビデオ制作でカリビアンコム関係の撮影会社社長、出演女優、男優が逮捕された。 AV業界には、業界団体はなく、表現自主規制のための審査団体を核に、幾つかの集団があるだけである。監督官庁もなく、しいて言えば警察庁なのかという状態である。 したがって、立法がされるさいには、業界団体から意見聴取されるのが、現在日本の通常の手続きだが、男女共同参画会議から業界側を代弁する
見よう見ようとしつつ逸していた映画『この世界の片隅に』(参照)だが、アマゾンから見ろという推しがあって、見た。評判どおりの傑作だった。感動もした。が、違和感というのでもない微妙に、もにょーんという感じが残った。不満というのではない。これはなんなのだろう。受容の不協和音というものでもなく、また深い理解を促すというものでもない。ある意味で奇妙な体験でもあったので、そのあとしばらく考え込み、それからその違和感の感触を静かに無意識に沈ませて時を過ごした。そしてなんとなく浮かんできたものがあるので、書いておきたい。 まず前提として、この映画作品が優れたものであることは微動だにしないだろうというのは理解できる。能年玲奈あらためのんの声優も最適だったし、この声なくしてすずは描けないようにも思った(正確にいうとそれ以外の解釈があってもよいだろうとも思ったが)。そしてこの優れたということの同義であるが、どの
コンビニエンスストアのミニストップ(本社・千葉市)は21日、国内の全店舗(10月末現在2245店)で来年1月から成人誌の販売を中止すると発表した。 同社によると、成人誌の陳列対策を進めてきた千葉市からの働きかけを受けたもので、同市内の店舗では12月から先行的に取り扱いをやめる。 同社は「女性にとっても、より利便性の高…
現地時間2017年10月5日、アメリカの大手紙The New York Timesに掲載された一つの記事がハリウッドを大きく揺るがした。恐らくハリウッドで今年最大のニュースとなるであろうその暴露記事をめぐっては、日本でもその後の経過も含めて、現在進行形で報じられている。 全てのおおもとになった記事の一部を抜粋すると、「The New York Timesの調査によって、以前明るみに出ることのなかった(ハーヴェイ)ワインスタイン氏に対する30年近くに渡る疑惑が、彼が設立、経営してきた映画会社ミラマックスとザ・ワインスタイン・カンパニー(以後TWC)の現在と過去の従業員、及び映画業界に携わる人々の証言をまとめた文書、法的記録、Eメール、そして両社の内部資料から発見された」という衝撃的な内容である。 この「疑惑」とは、渦中のハーヴェイ・ワインスタインがこれまで行なってきたセクシャルハラスメントに
政治日程に上がりつつある「AV出演強要問題」。今後の展開によっては、AV業界に壊滅的な打撃を与えかねない(写真はイメージです。gatagより:編集部) 前回、伊藤和子弁護士が「個人が撮影し流通させている映像はAVに含まないが、審査団体を通さない映像もAVと見なす」と書いたことを述べた。つまり、PAPSが眉をひそめる正体不明の個人撮影者やグループによる作品はAVに含めない。なのに、AVメーカーが自らの合法性の拠り所として運用している審査団体の権威を完全に否定しているのだ。伊藤氏は、自身のブログで「AV業界を潰そうとは、全く考えていません」(’16年6月16日)と書いているが、そもそもAV業界自体を理解しているのか疑問だ。 こうした姿勢は、「AV出演強要」を追及する側においては官民の壁なしに共有されており、内閣府が2月8日に公表したアンケート調査でも窺える。ここでは、JKビジネスや児童ポルノと
26日には政府主催のパレードが渋谷で行われるまでに。新聞各紙でも報道され「世論」は作られていくばかりだが…(朝日新聞デジタルより:編集部) 現在、「AV出演被害相談」事業を行っているのは「NPO法人 人身取引被害サポートセンター ライトハウス」(以下、LH)および「ポルノ被害と性暴力を考える会」(以下、PAPS)の2団体(協働事業)。 しかし、ここに集積されている「被害」のほとんどが、言葉本来の意味での「AV出演強要」を訴えるものではないと前回の記事に書いた。これはいずれ別の機会に書きたいと思っているが、2009年に国連が日本に出した勧告が、この「出演強要」の定義となっている事情もある。しかしなぜ、前出シンポジウムのように「AV出演強要被害」が、彼女たちの運動のお題目として唱えられているのだろうか。 「当初、私たちには、相談者は被害者だという思い込みがありました。そのため『AV出演被害支援
(編集部より)この連載は「AV出演強要問題」がテーマです。ただし、執筆者の中山美里氏は、被害にあわれた女性を社会的に救済・対策は必要との見地に立った上で、現在、国会でも議論され始めた、この問題が「一人歩き」しつつある危険性を指摘します。実は、この連載は本来は、有名週刊誌で企画されていたのが、諸般の事情により掲載が中止されました。ジャーナリズムの存在意義、政策論議に与える影響などを考慮し、この問題を真摯に追及してきた中山氏に敬意を表し、アゴラでの掲載に踏み切ります。 3月2日、東京・永田町の参議院議員会館101会議室で、「AV出演強要被害の被害根絶を目指して」と題したシンポジウムが開催された。民間の人権団体の主催ではあるが、公明党、共産党、民進党、自由党のリベラル系国会議員も大挙参加し、会場は熱気ムンムン。 とりわけテレビレポーター出身の徳永エリ参議院議員(民進党)が、悪徳芸能プロの毒牙にか
作家・北原みのり氏の週刊朝日連載「ニッポンスッポンポンNEO」。北原氏は、男性の性犯罪における無関心さを指摘する。 * * * NHK記者が強姦致傷容疑で逮捕された。本人は容疑を否認しているが、現場に残された体液のDNA型が一致し、さらに数年前の強姦事件で残された体液のDNA型とも一致したという。 容疑者と何度か言葉を交わした女友だちがいる。逮捕を知りパニックに陥った。容疑が確定したわけではないが事実であれば……と、考えただけで全身の毛穴が開き、吐き気に襲われた。被害にあった女性たちはどれほどの恐怖だったろう。「彼女」はもしかしたら「私」だったかもしれないのだ。 いてもたってもいられず知人の男性数人に、その思いを話した。ところが彼らの反応に、彼女はあっけに取られることになる。男性たちはほぼ例外なくこう言ったという。「あいつも人生を棒に振ったな」「NHKも不祥事続きで大変だな」。
「ウーマンリブの旗手」田中美津さんに聞く(下) 1970年代に日本のウーマン・リブ(女性解放運動)を主導し、現在はしんきゅう師として活動する田中美津さん(73)=東京都八王子市=は、アダルトビデオ(AV)への出演強要について「誰が悪いのかは言うまでもなく、はっきりしている。だます側をしっかり問題にしていかなければならない」と訴える。その上で、一部の被害者側の心の傷の回復を考えると、「嗜癖(しへき)」という視点から考えることも重要だと指摘する。 嗜癖(アディクション)とは、特定の物質や行為、人間関係に執着し過ぎて行動や感情をコントロールできなくなる--つまり「何かに依存してやめられない」という心の状態を指す。田中さんは、自身が幼児期に性的虐待を体験している。そのために、悪いのは虐待をした男だと分かっていても、自分を価値のない存在だと感じることから逃れられず、長い間苦しんだ。やさしい男だと「こ
「ウーマンリブの旗手」田中美津さんに聞く(上) 1970年代に日本で巻き起こったウーマンリブ(女性解放運動)のリーダーで、現在は東京都八王子市で鍼灸(しんきゅう)院を営む田中美津さん(73)が、アダルトビデオ(AV)の出演強要問題に強い関心を寄せている。この問題に関連して、さまざまな女性が自らの思いを発信し、“性のタブー”を乗り越えようとしている姿が40年前の自分たちに重なるからだ。「生き生きとした彼女たちを見ていると、時代の変化を感じる。私たちは『性の解放』を掲げて袋叩きに遭ったから」。現代女性の力強さをたたえる一方、「男が喜ぶポルノしか作られてこなかった現実が、今回のAV強要問題を引き起こしている」と指摘し、男性たちの性意識や自意識に変化が見られないことを嘆く。 田中さんは昨年9月、AV強要問題などをテーマに都内で開かれたイベント「女が語るAV業界」(一般社団法人ホワイトハンズ主催)に
AV出演強要などの問題を、女優ら当事者の女性たちが考えるイベント「女が語る”AV業界”~現場から見るアダルトビデオの過去・現在・未来~」(主催・一般社団法人ホワイトハンズ)が9月18日、東京・渋谷で開かれた。イベントの質疑応答で、ひときわ注目を集めたのが、来場していたAV男優・辻丸さんが業界について、激しく持論を展開した場面だ。 質疑応答で、辻丸さんが「なぜAV業界の男たちは強要問題について黙っているのか?なぜ女性たちはそれを容認しているのか?」と疑問を投げかけた。これに対し、AV出演者の権利団体「AVAN」を設立した元女優の川奈まり子さんは次のようなエピソードを明かした。 川奈さんはこのイベントの前日、Abema TVの番組「よるばず」に出演。AV問題について語った。当初はあるメーカーの社長と出演する予定だったそうだが、最終的にその社長の出演はキャンセルになったという。 この話を聞いた辻
AV業界の問題点について女優ら当事者が考えるイベント「女が語る”AV業界” ~現場から見るアダルトビデオの過去・現在・未来~」(主催:ホワイトハンズ)が9月18日、東京・渋谷で開かれた。ドラマ物AVの脚本家・神田つばきさんは、「性の文化は誰のもの」という題で登壇。高齢ユーザーからのファンレターを紹介し、 AVとユーザーという視点から「出演強要」問題に触れた。 1959年生まれの神田さんは2児の母親。専業主婦だったが、ガンで子宮を全摘したことをきっかけに「今まで諦めていたことを全部してみよう」と離婚。39歳で業界入りし、AV女優やSM雑誌のライター、さらには自身のメーカー(制作会社)まで立ち上げ、性を探求してきた。現在はAVの脚本家や女性向けの上映会のプロデュースなどを中心に活動している。 神田さんは、一連の出演強要問題について、「報道では、AVがメーカーとプロダクション、出演者だけの問題の
NPO法人ヒューマンライツ・ナウ(HRN)が児童ポルノに関する調査報告書を9月上旬に公表したことを受け、制作会社や流通会社が対応を発表している。 DVD販売や動画配信などの事業を運営する「DMM.com」は9月7日、アイドルなどが出演するイメージビデオのうち、18歳未満が出演する作品の取り扱いをすべて停止したと発表した。 HRNが9月5日に公表した児童ポルノに関する調査報告書は、18歳未満のイメージビデオのなかに、いわゆる「3号ポルノ」(児童ポルノ禁止法2条3項3号)の疑いがある作品があり、「DMMでも販売されている」などと指摘していた。 いわゆる「3号ポルノ」にあたるというのは、どのような場合なのか。判断するにあたって基準はあるのか。奥村徹弁護士に聞いた。 ●「3号ポルノ」どう判断すべきなのか? 「イメージビデオ」「着エロ」の明確な定義がないので、個別の作品について、児童ポルノ法2条3項
この度は平成28年9月5日に特定非営利活動法人 ヒューマンライツ・ナウより開示のあった調査報告書[※1](以下、「本件報告書」と記載)において、当社に関する記事が掲載されていたこと受けまして、下記の通りご報告させていただきます。 ①DMMでは、平成28年7月15日付IPPA発表の声明[※2]を支持し、DMM.R18におけるAV取扱いの基準として、IPPA加盟法人および加盟審査団体により審査済みである作品を限定することを原則としました。これに該当しない商品の取扱は、平成28年7月25日に全て停止いたしました。 ② 当社では、DMM.R18において取り扱うアダルトビデオ(以下、「AV」と記載)において、従来から18歳未満が出演する作品は一切取り扱わないという方針のもと、取扱い自体を行っておりません。 しかし、DMM.comにて取り扱うイメージビデオ(アイドルやタレントなどを被写体とした紹介映像
アダルトビデオ出演強要問題が大きくクローズアップされる中、「事務所に騙されてAV女優になった」と公表したユーチューバーがいる。アロマの効用について紹介する動画や、外国人にインタビューした動画などをYouTubeに投稿している、くるみんアロマさん(26)だ。 7月に朝日新聞「withnews」のインタビュー記事に登場し、8月29日からは、過去のAV出演に関して語った動画を全6回にわけてアップしている。彼女はどういう思いから過去を告白し、今回の動画を投稿しているのか。出演の経緯を含めて聞いた。 <動画>【AV出演強要】くるみんアロマさんが過去を語る理由 https://www.youtube.com/watch?v=jxyt6EZfF-Q ●「AV出演したら音楽させてあげる」といわれた −−どうしてAVに出演することになったのか? 大学生だった2011年夏、新宿でスカウトから「グラビアできる人
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く