(数土 直志:ジャーナリスト) Netflixが7月15日から、アニメーション映画「火垂るの墓」を国内で初めて配信する。日本が世界に誇る巨匠・高畑勲氏の代表作であると同時にスタジオジブリの出発点のひとつにもなった作品だ。 名作と知られる本作だが、近年はテレビ放送が少なくなり、目にする機会も減っていた。その背景には作品権利を一度まっさらにして、ネット時代に適した戦略を作り直す狙いがあった。アニメーション映画「火垂るの墓」の権利者である新潮社のコンテンツ事業室室長の矢代新一郎氏に話を聞いた。 【関連記事】 なぜいま、Netflixが「火垂るの墓」を日本で配信?アニメの視聴時間、5年で3倍…日本発、世界への次の一手とは ——「火垂るの墓」は新潮社のなかでも特に大切にされてきた作品だと思います。まずは矢代さんの作品に対する思いから教えていただけますか。 矢代新一郎氏(以下、矢代):作品が制作された