民間シンクタンク「言論NPO」が主催する「東京会議2025」で基調講演する岸田文雄前首相=4日、東京都港区(桑村朋撮影) 世界11カ国のシンクタンクの代表らが参加する国際会議「東京会議2025」が4日、東京都内で開かれ、会議の最高顧問である岸田文雄前首相が基調講演を行った。ロシアとウクライナの和平交渉について「侵略されたウクライナの声が反映されず、侵略した側の言い分に同調するだけでは地域の平和は不安定なままだ」と述べ、交渉を進めるトランプ米大統領にくぎを刺した。 岸田氏は戦後80年の節目の今年、世界で自国利益を優先する声が強まり、先進7カ国(G7)の結束に不安があると指摘。和平交渉で米欧が対立すれば「価値観の異なる他の権威主義国を勝ち組にしてしまう」と語り、国連などの関与強化を求めた。「日本も和平への働きかけを強めるタイミングだ」とも訴えた。 会議は民間シンクタンク「言論NPO」(工藤泰志