ソニーやマイクロソフトのゲーム機参入に一歩も引かなかった任天堂・山内溥の「プライドと恐怖心」 健全な財務体質を誇る任天堂、中興の祖が開拓した家庭用ゲーム機の新市場と覇権争い(後編) 「ファミコン」およびその後継の「スーパーファミコン」で家庭用ゲーム機の覇権を握った任天堂。しかし任天堂が開拓した市場を狙って、ソニーやマイクロソフトといった巨大企業も参入した。その資金力、技術力の前に任天堂の天下は風前の灯にも思えたが、それでも今なお存在感を保ち続けているのは、事実上の創業者である山内溥氏の、「餅は餅屋、ゲームはゲーム屋」というプライドと恐怖心があったからだ。 社会現象となった「ファミコン」「スーファミ」人気 早稲田大学在学中の1949年に23歳の若さで任天堂社長に就任した山内溥氏(1927─2013年)は、トランプ・花札の会社を「ファミコン(ファミリーコンピュータ)」の会社へと生まれ変わらせた