ゲームブランド「Key」の立役者として『AIR』『CLANNAD』『リトルバスターズ!』『Angel Beats!』など数々の傑作を生み出してきたシナリオライター・麻枝准さん。P.A.WORKSとのコラボアニメ『神様になった日』も大きな話題を呼んだばかりだ。 そんな麻枝さんが初の文芸作品として出版した『猫狩り族の長』は、女子大生・時椿が、才能にあふれながらこの世に絶望し、死ぬことを願う美しき天才作曲家・十郎丸と出会う物語だ。時椿は、十郎丸に寄り添い、彼女の「絶望」を救いたいと願う。こんなに恵まれているのに、なぜ死のうとするのか――。 そのように疑問を抱くような悲しい出来事は現実にもあるが、麻枝さん自身が、ある意味で十郎丸だというのだ。それはどういうことなのか。麻枝さんはどのようにしてこの作品を描くに至ったのか、そして死すら考える「ネガティブな感情」とどのように生きているのか。率直な思いを寄