福田雄一監督作『アンダーニンジャ』が劇場公開され、賛否が割れている。 物語の舞台は、忍者が暗躍する現代日本。NIN(ニン)に所属する末端の忍者・雲隠九郎(山﨑賢人)が、UN(アンダーニンジャ)と呼ばれる謎の忍者組織が潜伏している高校に高校生として潜入する様子を描く。 本作は花沢健吾が『週刊ヤングマガジン』で連載している同名漫画(講談社)を映画化したものだ。『ボーイズ・オン・ザ・ラン』(小学館)や『アイアムアヒーロー』(小学館)といった漫画で知られる花沢は、ダメ男の冴えない日常を執拗に描写することでドキュメンタリーのような生々しい作品を生み出すことに定評がある。 忍者が暗躍する現代日本という荒唐無稽な世界を描きながらもリアリティがあるのは花沢の生々しい描写力があるからで、それは忍者の描き方にも強く現れている。同時にダメ男の冴えない日常を、下ネタを交えて描く花沢漫画の根底には、常に「笑い」が存