米社会で保守強硬派として知られる「ティーパーティー(茶会党)」の活動に陰りが見えてきている。高揚した運動が展開されていたかに見えた茶会党だが、波が引くように静かになっている。 2009年にオバマ政権の「大きな政府」に反旗を翻すかたちで登場した茶会党。1773年に起きたボストン茶会事件で新大陸に渡った人たちがイギリスの茶法(課税)に反対したように、オバマ政権に「もう税金はたくさんだ」と抗議する意味で立ち上げられた保守派の政治運動だ。 彼らは同政権が多額の税金で大型景気対策を実行し、金融機関を救済したことに異を唱えた。社会政策では反同性愛、反人工中絶、反不法移民を基本スタンスとし、米国内では保守派の中でもかなり右に寄った一派で、近年の日本の右傾化とは性質が異なる。その茶会党に今何が起きているのか。 11月5日に全米各地で行われた選挙で、茶会党は劣勢に立たされた。バージニア州とニュージャージー州