交渉担当者らは野心的な貿易協定について合意に至ったが、すでに批准に対する抵抗は激しい。 米大統領選に出馬しているドナルド・トランプ氏は、この協定を「ひどい合意だ」と非難した。同じく大統領選に立候補したヒラリー・クリントン氏も、貿易協定に要求されるべき「高いハードル」を満たしていないと考えている。 だが、米国や日本を含むアジアおよび南北アメリカ大陸の12カ国を網羅するこの環太平洋経済連携協定(TPP)の支持派は、この20年間で最大規模の多国間貿易協定だと評価し、国際貿易の「交通規則を規定」するものだと胸を張っている。いったいどちらが真相なのだろうか? TPPの適用範囲には、世界経済の40%が含まれる。米国の輸出企業だけをとっても、1万8000項目に上る個別関税がゼロになる。交渉に参加した他の11カ国の企業についても、ほぼ同じことが当てはまる。 通常であれば最も堅く守られている農産物に関する障