スマートフォンやハイテク製品の製造に欠かせない現代産業の要であるレアアース。セリウムやネオジムといった希少価値の高い鉱物で、希土類とも呼ばれる。このレアアース、実は中国が世界の生産量の9割近くを占めている。今年3月26日、WTO(世界貿易機関)は「中国のレアアース輸出規制は協定違反」とする判定を下した。この問題は、中国がレアアースの輸出に対し税を課したり、数量制限を設けたりしていることは不当だとして、日本、アメリカ、EUが共同で審理を求めていたもの。中国は、輸出規制を「国内の環境や資源保護の為」と主張していたが、その主張が否定された形だ。中国は判定を不服として上訴したが、実際にレアアースの採掘現場を見ると、中国の主張が虚しく聞こえるほど深刻な環境汚染が存在していた。その実態を内モンゴル自治区の取材から報告する。(アイアジア/宮崎紀秀) レアース湖に向かって歩く筆者。周囲に草木は全く無い。