現代の美人画は、“あわよくば”という男のリビドーが描かせていた日本の美術史のなかでしばらく途絶えていた「美人画」が、いま再び大きなブームの兆しを見せています。その牽引者は日本画家の池永康晟さん。妖しく美しい池永さんの描く美人画の世界をご紹介します。 CREDIT :文/井上真規子 写真/久保田育男(人物) PEOPLE美人について[2]FEATURE:特集LIFESTYLE いま、「美人画」が密かなブームになっているのをご存知でしょうか? より正確に言えば、密かではなく50年ぶりとも言われる大きなブームの兆しを見せているのです。書店にはコーナーが作られ、数多く出版された画集やムックの売りれ行きも好調です。 そのブームの立役者であり、人気を牽引しているのが日本画家の池永康晟さん。まずは池永さんの作品をご覧いただきましょう。衣装の柄まで細密に描かれた若い女性たちの表情は、どれも強い感情を表さず