上記の表から次のことが言える。 1回目では、Bのほうが正解率が高い。 2回目でも、Bのほうが正解率が高い。 ところが、2回の試験を合わせた合計(総得点)でみると、Aのほうが正解率が高い。 多くの人の直感に反するが、実際にA > Bとなってしまう。この点で、この例は「シンプソンのパラドックス」の一例である。 1回目と2回目それぞれの試験では、両者が回答した問題数が異なる。総得点では、AとBそれぞれにとって多く出題された回での正解率が強く影響する。そのため、総得点の優劣は個々の試験での優劣と直接には連動しない。2回目では両者ともに正解率が著しく低いが、Bのほうが問題数が多いため、総得点で優劣を評価するとBが不利になる。 両者が同じ難易度分布の110問を解いた場合、総得点に基づいてAの方が優秀だと考えられる。この場合、Aが多く回答した1回目ではBのほうで簡単な問題が抽出され、Bが多く回答した2回