本日、宮崎駿さんが引退会見をしますね。



作者を知ることで

作品がもっとよく見えてくる。



これは本に限らず、
手作り市の作家さんが作ったモノも、
企業の作る製品も、
草花が作り出す風景も、
みんな同じかと思います。

ですから、
宮崎駿さんの“個人的な飛行機に対する思い”を知ることで、

「風立ちぬ」や「紅の豚」、その他ジブリ作品に出てきた、空を飛ぶもの達をもっと面白くみられるようになると思うのです。

宮崎駿さんについて記されたものは世にたくさん出ておりますが、

今回は私の手持ちのものから、簡単にご紹介したいと思います。



☆DVD 世界・わが心の旅
『サンテグジュペリ 大空への夢』
~南仏からサハラ~
旅人・アニメーション映画監督 宮崎駿



NHKのBS2で、1998~1999年に宮崎駿さんが旅人として出演した「世界・わが心の旅」のDVD。

宮崎駿さんが、児童文学に興味を持っていた20歳の頃に読み、深く影響された、サン=テグジュペリの足跡を辿る旅のドキュメンタリーです。

サン=テグジュペリは「星の王子さま」などを書いた作家として有名ですが、実は貴族出身ながら、男の愛とロマンをもつ、やんちゃで憎めない飛行機の操縦士(野郎)でした。
(サン=テグジュペリについて語ると長いのでやめておきます。)

みどころは…、

サハラの上空で宮崎駿さんが
「サン=テグジュペリに“一番”影響を受けたんですよ、ぼくは、けっきょく(感動泣)」
と涙を流し笑顔で言うシーンでしょうか。

この時、髭面の駿おじさまが、とてもキレイに見えました。(ジブリの少女が流す涙みたいにキラキラと…(笑))

ちなみにこのDVDは二枚のセットになっていて、もう一枚は高畑勲さん編です。
「赤毛のアン」のテレビアニメ作成の裏話や、「木を植えた男」の作者フレデリック・バック氏を訪ねたカナダの旅も面白かったです。





お次はこちらの文庫本。

☆新潮文庫『人間の土地』
サン=テグジュペリ



このカバー装画、前述のDVDのカバーと同じ絵なのをお気付きになられましたでしょうか。

実は、DVDの旅の印象を宮崎駿さんが描いた絵が、サン=テグジュペリの『人間の土地』や「夜間飛行」のカバー装画になっているのです。

さらに!

『人間の土地』の最後には、1998年に宮崎駿さんが寄せた、8ページほどのエッセイ「空のいけにえ」が載っているのです!

……………飛行機の歴史は凶暴そのものである。それなのに、僕は飛行士達の話が好きだ。その理由……………

これは、ぜひ読んでいただきたいです!!!





飛行機好きのひ弱な駿少年は、

20歳の頃、サン=テグジュペリや同時代の飛行士達に憧れを持ち、

60歳頃にしても、一番影響されたと言う。

そして72歳で「風立ちぬ」。引退。



宮崎駿さんが
一生を通し、持ち続けていたもの。

それは
飛行機の歴史とともに、
自分の中にも見てきた、憧れと残酷さ、そして矛盾。

これは「風立ちぬ」の主人公、堀越二郎やサン=テグジュペリも同じだったようです。



もしかしたら、宮崎駿さんと堀越二郎さんと、サン=テグジュペリは同じ○○○…?



「星の王子さま」と「風立ちぬ」は
どこか似ていて、本当に宮崎駿さんはサン=テグジュペリに影響を受けたんだなぁと感じました。

献辞からはじまること、背景では戦争を否定しながらも、空への憧れを描写すること、大人の矛盾、死などなど…

そして、「星の王子さま」はサン=テグジュペリの“遺言”であり“希望の書”だ、と捉える見方があるのですが、「風立ちぬ」もどうやら似たような読み方ができます。

サン=テグジュペリが「星の王子さま」を発表したあとの年譜を見てみると…、なんて、妄想は膨らみます。



また、サン=テグジュペリも、後にはファンタジー(に一見みえる)「星の王子さま」が代表作となりましたが、著者のファンは『人間の土地』などのほうが楽しめているようです。

宮崎駿さんの「風立ちぬ」も『人間の土地』と同じ位置なのかもしれません。





私は宮崎駿さんのファンでもありますが、むしろ宮崎駿さんと同じ、サン=テグジュペリの大ファンです。

もし、

宮崎駿さんが憧れた
サン=テグジュペリの世界に興味があるようでしたら、こちらの「星の王子さま公式サイト」内の“サン=テグジュペリ展示室”へどうぞ。



そしてサン=テグジュペリと星の王子さまの世界観にひたりたくなったら、こちらの「箱根・星の王子さまミュージアム」へGO♪

とても素敵なところです。



それでは!

今夜放送の金曜ロードSHOW!「紅の豚」や、
映画「風立ちぬ」など、
もっともっと楽しみましょ~う♪





↓映画『風立ちぬ』の感想はコチラ↓
 映画『風立ちぬ』感想。~おかしな飛行機~ TOHOシネマズ 六本木ヒルズにて。 



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