ニュージーランドに住んでいる人には恐らく2種類いる、ニュージーランドに住みたい人か、ニュージーランド以外住めない人だ。
特にどこというこだわりがない人たちの多くは割と国外に出ており、国民の何割かはニュージーランドを出たまま帰ってこないという現状がある。
数年前のコロナショックの際に海外に行ったもののうだつの上がらない人たちがこぞって帰国したことで、国内に穀潰しがあふれかえり、かわりに国に明確に利益をもたらす学生ビザホルダーやワークビザホルダーが入国できなくなった事がある。
特に悲惨だったのは一時帰国をした人々で、ニュージーランドの自宅には所有物があるために賃貸契約を解約することもできず、ひたすらに家賃を払い続ける羽目になった人もかなりの数にのぼる。
ニュージーランド人は基本的には自国におらずオーストラリアやイギリスなどに行ってしまう。これはニュージーランドという国がチャンスのほとんど無い小国であり、また、コモンウェルスの枠組みの中で国家間の移動が容易であるためでもあるが、移民国家の特性上国に対する帰属意識が低いということも手伝っていると思う。
さらに言うならば、昨今の不況によって仕事も減っており、物価も上がり続けている。政府は危機感ばかり募らせて特に何かしているようには見えず、コストオブリビングクライシスだと何年も大騒ぎしているが、ここには幾つかの要因がある。
まず、コロナショックの頃の超低金利から利上げしたこと、これはアメリカでもFRBがやった事だが、これによって債権者たちが大惨事になってしまった。
次にウクライナとロシアの戦争で原油価格が高騰してしまったことだ。
政府が財政出動などしてどうにかしようとしても、ジャシンダ・アーダーンがコロナショックの際に膨大な国債を発行するという先手を打っていたことでそれすら出来ないのではと私は陰謀論的に考えている。
だから私はジャシンダ・アーダーンは歴史に残されるべき傾国の美ロバと考えている位には憎んでいる。ロバよりの美女という意味ではなく、ロバの世界では美しいと言われるだろうという意味で美ロバと書いていることはあらかじめ言っておく。
さて、そんな崩壊間近のニュージーランドでは次の選挙で一体何をするのか、と言うのは見ものではあるが、これまでと似たりよったりな政策を掲げるが何の問題も解決しないで時間が過ぎるだろうことはあらかじめ予想しておく、自分の精神衛生のためにだが、最後の一押しとして一つ解決すべき問題はある。
それが、ニュージーランドがオーストラリアやイギリスに行くための踏み台に利用されていると言うポイントだ。
移住先としてのニュージーランドの魅力は何か、自然だろうか、ライフスタイルだろうか、発展途上国ならではのエネルギーだろうか、ジェンダーギャップの成績だろうか、起業のしやすさだろうか、犯罪率の低さだろうか。
自然は確かに豊かではあるが、基本的に皆貧乏暇無しなので堪能する暇などない。
ライフスタイルがいいのではなくどの店も午後七時に閉まってしまい夜何もできないだけだ。
発展途上国というには無理がある程度に発展してしまいむしろ経済的には停滞している。
ジェンダーギャップが好成績でもそれだけで人が幸せになることはないしそもそも庶民とはあまり関係のないところで順位が上がっているだけなことはすでにパレている。
起業がしやすいだけでほとんどの企業は1年持たずにビジネスを終えている。
犯罪率も最近はうなぎ登りだし、そもそもニュージーランドが安全という理由はほとんど地政学的に何の魅力もないから戦争に巻き込まれる可能性が無いだけである事は誰も言わないから言っておくことにする。
ただ、兵器が近代化してさらに高性能になったらどうなるかはわからない事は最近中国がやたらとニュージーランドにちょっかいをかけ始めているあたり気にしておいたほうがいいかもしれない。
南半球の孤島がどうなろうが気にしない国は多いことだろう。
つまり、移住先としての魅力などというものはもはやなく、出羽守が情報の少なさをいいことに言いたい放題言うための国に成り下がっているが、最後にもう一つだけ魅力がある。
それはニュージーランドの市民権を獲得するとオーストラリアやイギリスに住める、と言うところだ。
ニュージーランドの市民権と言うのはどうやって取るのか、永住権を取得して一定期間住めば良い。申請をして何かセレモニーのようなことをすれば市民権獲得だ。
日本人の成人した人たちが市民権を獲得する際は日本国籍が自動的に離脱された状態となり、日本人ではなくなるが、未成年が市民権を獲得した場合はどうなるだろうか。
未成年の間は法律上二重国籍状態になる。その後18歳までに日本人であるかを決断しなくてはならないが、実はここにからくりがある。
日本人であることを宣誓することで日本人として生きていけるが、その際別の国籍は法律上離脱の努力義務があるため、二重国籍のままでいても何か法的なトラブルになることはない。日本でこの事を公言すると、法的ではない問題は起こるかもしれないため、秘密にしておくに越したことはないが、これは、二重国籍解消のための国籍離脱が簡単ではない場合や、そもそも国籍離脱を認めない国もあるため、実務上見逃していると言うのが理由でもある。
とはいえ本当に一切全く何の問題もないかといえばそんなこともないので、そのあたりの知識をしっかりと持つことは必要だから、自分の子供を二重国籍にしようなどと考えているならやめておけとは言っておく。
仮に日本国籍を捨てないで済むなら他の国の国籍を得たい人はかなりの数に上るのではないだろうか。
そもそもこのルール自体が明治時代に国際結婚など全く考慮されないで作られたルールであり、国際結婚や日本への移民が増えたり、また、海外で活躍する日本人が増えているこの現代には全くそぐわないルールであることは明白であるが、日本政府は多重国籍を認める改正はする気はないようだ。
日本人の中に日本国籍を捨てる決断ができる人は猫ひろしを除いてどのくらいいるだろうか、また、国籍復帰と言う道がどれだけ困難なのか、制度上は一度日本人を辞めても戻る道筋は設定されているが、それほど容易ではないようだからかなり難しい話になるが、そうでない国の人々、多重国籍を認めている国や、国民がそもそも国籍などいらないと思っている国からしたらニュージーランドの市民権はとても魅力的に映るだろう。
そのため、発展途上国の国から来た人々はニュージーランドの市民権を獲得してオーストラリアに行く、と言うことが今は公然と行われている。
市民権を獲得する際に国家への忠誠を誓うなどの儀式もあるようだが、そんなのはどうでもよく、彼らにとって大事なのはオーストラリアやイギリスに行けるかどうかでしかない。
もしかするとニュージーランドはこの制度にも何らかの手を打つ可能性がある。
例えば今は永住権を取得してから4年で市民権を取得できるが、これを10年に延ばす、または、市民権を得るための費用をとんでもない高額にするなどだ。ほかにもかつてクリストファーフォイがやったように、申請を受け付けて永遠に放置する、という手も使えるだろう。
だが、残念なことに2度目はないのではないだろうか、なぜなら徹底的にいじめ抜いた移民が今はニュージーランドに大量にいるからだ。彼らがこれからも目を光らせてくれることを期待するが、ときとともに沈静化することだろう。
この国は日本では柔軟性に富んだ国と褒めそやされているが実態は思いつきでよく分からないこともやってしまう国なので、踏み台にされないための施策はうってくるかもしれない、とても愚かな方法で。
そうなると踏み石としての魅力すらなくなり、なんだかんだで10年くらいは国のために移民が働いてくれる現状も立ち行かなくなることで、ますます崩壊するかもしれない。