私が間違っていました、お詫び申し上げます
核兵器の保有は、必ずしも通常戦力の削減に繋がるとは限りません。
核兵器は抑止力として機能する一方で、通常戦力の代替とはなり得ません。
核兵器は使用すれば甚大な被害をもたらすため、平時の運用は限定的です。
一方、通常戦力は、平時における領土・領海の警備や、有事における戦闘など、より広範な役割を担います。
核兵器と通常戦力は、それぞれ異なる目的と機能を持つため、両者の関係は単純なトレードオフの関係ではありません。
核兵器の保有が必ずしも通常戦力の削減に繋がるとは限らず、むしろ両者は相互に補完し合う関係にあると考えるのが適切です。
以下に、2000年以降の主要な学術的・政策的議論や論文を具体的に紹介しつつ、論調の変化を整理します。
内容:パキスタンが核を保有してもインドとの国境紛争やテロ支援は止まらず、むしろ「核による安心感」が通常戦力での挑発行動を助長したと分析。
結論:核は通常戦力の代替にはならず、むしろ限定戦争の頻度を高める可能性すらある。
意義:従来の「核で戦争が抑止され通常戦力はいらない」論の限界を明示。
内容:核抑止力の信頼性を高めるには、柔軟な通常戦力と小型核兵器の組み合わせが必要と主張。
主張:「大規模核ではなく、使える核+通常戦力」による多層抑止が重要。
背景:冷戦後、使用されない大規模核ではなく、限定核オプションが議論されるようになった。
内容:米国の戦略において、いかに核を保有していても、アジア・中東・アフリカにおける地域紛争・安定化任務には通常戦力が不可欠。
実務的含意:抑止の信頼性だけでなく、「展開能力・介入能力」が地政学的にますます重要になっている。
主張:ただし、核の信頼性を補強するために、通常戦力の優位も前提であると述べており、「核があれば通常戦力を削減できる」とは逆方向の議論。
特徴:抑止力の説得力は核+通常戦力の一体性によって成立する。
背景:中国のA2/AD(接近阻止・領域拒否)戦略に対抗するため、米国は通常戦力(とくに空海軍力)を前提にしている。
論点:核は大国間戦争の「最後の手段」であり、通常戦力が政治的・軍事的主導権を握る鍵だとされる。
核だけでは抑止は完結しない
核の使用のハードルが高いため、通常戦力が抑止の“見せ札”として機能。
NATO、日米同盟などでは、核を支える通常戦力の共同運用が重視されている。
「核があれば通常戦力は減らせる」という考え方は、冷戦期の理論的単純化モデルでは一定の説得力を持っていましたが、2000年以降の学術・政策界ではほぼ否定的です。