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2025-06-23

核があれば通常戦力は減らせるよ

ちゃん勉強しました

私が間違っていました、お詫び申し上げます

核兵器保有は、必ずしも通常戦力の削減に繋がるとは限りません。

核兵器抑止力として機能する一方で、通常戦力の代替とはなり得ません。

核兵器使用すれば甚大な被害をもたらすため、平時運用限定的です。

一方、通常戦力は、平時における領土領海の警備や、有事における戦闘など、より広範な役割を担います

核兵器と通常戦力は、それぞれ異なる目的機能を持つため、両者の関係は単純なトレードオフ関係ではありません。

核兵器保有が必ずしも通常戦力の削減に繋がるとは限らず、むしろ両者は相互に補完し合う関係にあると考えるのが適切です。

以下に、2000年以降の主要な学術的・政策議論論文を具体的に紹介しつつ、論調の変化を整理します。

◾ 具体的な著作論文2000年以降)

1. Vipin Narang, “Posturing for Peace? Pakistan’s Nuclear Postures and South Asian Stability” (2009, International Security)

内容:パキスタンが核を保有してもインドとの国境紛争テロ支援は止まらず、むしろ「核による安心感」が通常戦力での挑発行動を助長したと分析

結論:核は通常戦力の代替にはならず、むしろ限定戦争の頻度を高める可能性すらある。

意義:従来の「核で戦争が抑止され通常戦力はいらない」論の限界を明示。

2. Keir A. Lieber and Daryl G. Press, “The Nukes We Need” (Foreign Affairs, 2009)

内容:核抑止力の信頼性を高めるには、柔軟な通常戦力と小型核兵器の組み合わせが必要と主張。

主張:「大規模核ではなく、使える核+通常戦力」による多層抑止が重要

背景:冷戦後使用されない大規模核ではなく、限定オプション議論されるようになった。

3. Michael O’Hanlon, “The Future of Land Warfare” (Brookings, 2015)

内容:米国戦略において、いかに核を保有していても、アジア中東アフリカにおける地域紛争・安定化任務には通常戦力が不可欠。

結論:「核で全てを代替することは幻想である」と明言。

実務的含意:抑止の信頼性だけでなく、「展開能力・介入能力」が地政学的にますます重要になっている。

4. Matthew Kroenig, “The Logic of American Nuclear Strategy” (2018)

内容:米国が「圧倒的核優位」を維持する理由理論的に説明

主張:ただし、核の信頼性を補強するために、通常戦力の優位も前提であると述べており、「核があれば通常戦力を削減できる」とは逆方向の議論

特徴:抑止力説得力は核+通常戦力の一体性によって成立する。

5. Biddle & Oelrich, “Future Warfare in the Western Pacific: Chinese Antiaccess/Area Denial, US AirSea Battle, and Command of the Commons” (International Security, 2016)

背景:中国のA2/AD(接近阻止・領域拒否戦略に対抗するため、米国は通常戦力(とくに空海軍力)を前提にしている。

論点:核は大国戦争の「最後の手段」であり、通常戦力が政治的軍事的主導権を握る鍵だとされる。

現代見解のまとめ(2020年代

核だけでは抑止は完結しない

特に地域紛争不正規戦・サイバー戦では通常戦力が主役。

戦略信頼性のために通常戦力が補完役

核の使用ハードルが高いため、通常戦力が抑止の“見せ札”として機能

同盟国との協調・展開能力

NATO日米同盟などでは、核を支える通常戦力の共同運用が重視されている。

結論2000年以降の総合評価

「核があれば通常戦力は減らせる」という考え方は、冷戦期の理論単純化モデルでは一定説得力を持っていましたが、2000年以降の学術政策界ではほぼ否定的です。

現代戦は以下の要因から、通常戦力の削減が安全保障の強化に繋がるとは限らないとされます

多層的・非対称的戦争環境

サイバー宇宙テロなどの非核領域の台頭

核の「使えなさ(非実用性)」の顕在

有事における初動対応政治的メッセージとしての通常戦力の重要

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