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2025-05-25

ジークアクスと乃木坂

ジークアクス』の主人公は、乃木坂46元メンバーモチーフにしており、彼女過去の失敗を批判する目的で本作が作られたのではないか──という説を目にした。

そんなのPV稼ぎのいい加減な陰謀論だろうと思っていた。

ガンダムという有名IPに、そんな私情の持ち込みがあるわけない、と。

けれど、物語や設定、キャラクター描写の細部まであまりに符合していて、もはや偶然やこじつけでは説明できないレベルだ。

ガンダムとこの題材は全く無関係だし、相性が良いとも思えない。

なのに、どうしてここまで一致するのか──これはもはや「公然批判」だ。

自分ガンダム熱狂ファンではない。

それでも、「10年前に不倫した芸能人スキャンダルを題材に、アニメ業界の一流スタッフたちが技術結集して描いていおり、好評を得ている」現実には、強い絶望を覚える。

何かを批判する目的創作を行うのは理解できる。

戦争権力社会矛盾──そういったテーマへの批判は、むしろ創作原動力になりうる。

芸能人スキャンダルモチーフにすることだって、「浅いな」とは思うけれど、料理次第では意味を持たせられるはずだ。

だが『ジークアクス』からは、そういった“料理”の跡がまったく感じられない。

生のままの怒り、生のままの憎しみ。

それを暗喩で包んでいるのではなく、「責任を逃れるための偶然性」で包んでいるだけに見える。

例えば、「芸能界若者恋愛制限する構造」や、「若者青春を消費したコンテンツたか金銭利益しか生まない虚しさ」など、掘り下げるべき要素は私でも簡単に思いつく。

けれど本作から伝わってくるのは、ただただ「2014年不倫騒動を起こした女性への私的な憎しみ」だけだ。

しか彼女監督とまったく接点のない無関係人物だ。

これは前代未聞の事態ではないか

これほどまでに有名なIPで、個人過去の失敗をここまで執拗モチーフ化する。

不倫に対しての必要以上の社会的制裁を受け、10もの時間が経過したあとで、ここまでの晒し上げをするのが本人とまったくの無関係人物

けものフレンズ2』の時でさえ、ここまでの悪意はなかった。

まるで作品自体藁人形の丑の刻参りだ。

自分は『ジークアクス』そのものには面白さを感じていた。

映像音楽演出、どれも力が入っているし、一流スタッフが集結した完成度の高さがある。

恋愛関連は心理描写が足りないと思うけど、総合的にとても楽しい作品だ。

けれど、その素晴らしい技術表現したいのがたったひとりの若い女性への批判だと思うと、作品の魅力は一気に半減する。

気になるのは、他のスタッフがどこまでこの意図を把握していたかだ。

監督はもちろん理解していたはずだが、他の制作陣はどうだったのか?

彼らに隠して進めることも、やろうと思えば可能だろう。

ももしこれが、スタッフ全員の合意のもとだったとしたら──それはあまりにも絶望的な光景だ。

この魅力的な作品を作ったスタッフたちもわかって“公開リンチ”に加担していたのかを知りたい。

しわかっていたのだとしたら、有名IPに関われる利のために“倫理”を手放したということになる。

ジークアクス』を以前より色褪せて感じるのは、その可能性を拭いきれないからだ。

誰も彼も騙されて、楽しい作品を作ろうと技術を注いでいたのだと信じたいが、その証明不可能だし、おそらくみんな触れないと思う。

他の「2014年モチーフ」もまた、下品スキャンダルばかりで、制作者が普段どんな情報に触れているのかが伝わってくる。

範囲は狭く、刺激は強く、中身は空っぽ──そんな“虚構”を材料に選んだ創作者が、私怨を軸に、巨大資本を受けて作品制作を成し遂げた状況が何よりも不快だ。

作品と作者は切り離して考えたいが、私怨演出があまりにも融合しておりこの立場を維持できないでいる。

  • あまり詳しくないけど、不祥事を起こしたアイドルに焦点を当てたいのではなく、単に監督が乃木坂を好きなのではとおもう あと意図は不明だが、10年前のゴシップネタをたくさん取...

    • アイドル界隈、全く興味ないので理解してなかったけど、自分の推しアイドルが恋愛すること(不倫に限らない)自体に怒るファンが居るのか、でそういった私情を仕事に持ち込んだ可能性...

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