氷河期世代とも呼ばれる我々の就職活動は熾烈を極めていたがたまたまコネがあった事もあり就職活動は何とかなり、手取り15万円でそこから毎月1万円ほど自爆させられる日々にも慣れた頃、リーマンショックが起こった。
米国の訳のわからない債権が原因で大変だなと他人事でいたのだがどうやら我々(というか農林中金)にも影響があるらしいとは噂になっていた。
ある日、組合長が朝礼で「サプライズローンの問題もあり今後は厳しくなります」と語り、そのうちに全中、東京都中央会から全国の農協が農林中金に対して多額の特別貸出を行うとのお達しが出た。
農林中金は攻撃的な投資を行っており、それは全国の農業者から集めた資金を稼ぐ能力のない農協に代わって運用していたのだと当時は語られていた。
わたしのいた農協は謎の仏像を売って多額の利益を出し、その後変な債権で破綻しかけた農協だったのでリアルだなと思った記憶がある。
前回の損失額が5721億円で今回は1兆8078億円の赤字と聞く。わたしがかつて所属していた農協は仏像以外で稼ぐ能力を得るため、保険や土地の売買で多くの農家を食い物にしていたが結果として壊れた。
地域も、働いていた多くの人も、それから組合のモラルも壊れていった。
わたしも身体を壊して農協を退職していて、今はそれなりに穏やかに暮らしている。いまの農協はどうだろうか。
部外者のわたしには何もわからないが米の価格と農林中金はあまり関係がないことはわかる。米の流通なら全農の管轄だからだ。
あとサプライズローンって一体なんだったんだ。