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2025-05-20

月曜の朝はいだって最悪

混み合う電車、伸びないファンデ、月曜朝イチの朝礼──。

今日例外なく、ため息をつきながらコンビニカフェラテ片手にオフィスへ戻っていた。

そのときだった。

ビル入り口スーツ姿の男の人とすれ違った。

営業先への訪問か、それともこのビルのどこかに勤めているのか。

ネクタイちょっと曲がっていて、書類の角が折れていて、髪も少し乱れていたけど、

なぜか、それがすごくよかった。

目が合った。

というより、こっちが勝手に見てただけかもしれないけど、

その瞬間、胸の中で何かが“ぱちん”と弾けた。

その後、いつものデスクに着いても、彼の顔が頭から離れなかった。

キリッとしてるわけじゃない。むしろ、どこか余裕がなさそうな感じだったのに。

いや、だからこそかもしれない。

ちょっと困ったような、真剣な目を思い出して、なぜかこっちが緊張してくる。

今年で27。この年になると、“好き”のハードルはどんどん上がっていく。

過去経験とか、将来への見通しとか、余計なフィルターが山ほどあるから

「人を好きになる」っていう気持ちに、なかなか素直になれなくなる。

でも今朝のあれは、そういうのを全部飛び越えてきた。

理屈じゃなくて、体のどこかがびくんと反応した。

昔、教室の隣の席で好きだった男の子匂いにドキッとしたような、

そんな記憶と重なる感覚

自分もびっくりするくらい、心拍数が上がってた。

指先がすこし震えて、スマホを握る手が汗ばんでいた。

やだ、これ私どうしたんだろ、って思いながらも、

気づいたらランチ時間、そのビル入り口で立ち止まってる自分がいた。

恋かどうかなんて、今はまだわからない。

名前も知らないし、また会えるかどうかもわからない。

でも、もし“ときめき”という言葉身体性があるとしたら、

あの瞬間の私は、たしかに、何かに打ちのめされていた。

感情が逆さまになって、真っ逆さまに地面に落とされたような、

——ああ、そうか。

きっとわたし

キン肉バスターみたいな、恋をした。

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