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2025-05-15

新卒年収600万〜」の求人検証してみた

ヒューチャーという大手ITグループ企業(以下F社)が新卒年収600万円以上にするというニュースがあった。

一見JTCには難しい高給条件だが、実態はどうか同社の採用サイト記載転職サイト口コミなどを見て検証してみたら、昨今の新卒待遇アップの典型例と言える内容だったのでここに置いておく。

なお、増田別にF社とは何の関わりも恨みもないことを付記しておく。フラットに見ている。

賞与込みの「理論年収である

600万の中には賞与4ヶ月分が含まれているが、夏ボはもらえないので実質2ヶ月分あるかどうか、が真である。この時点で75万のマイナス

なお月給は37.5万と初任給にしては破格に見えるが…

新人研修期間は月給が2.5万→最大15万マイナス

案件が決まるまで最大6カ月間は月給が2.5万ずつ減らされて35万になる。半年まらなかったら15万マイナスだ。

それでもまだ初任給にしては高く見えるが…

残業50時間/月込みである

定時が7.5時間なので1日10時間、月200時間労働が標準。朝9時出社なら20時までは帰れない。これは研修期間も同様。

この条件で時給換算してみたら1785円(160時間超過分は25%割増で2240円)と、初任給としては平均よりやや高めくらいにまで落ちてくる。

年次有給休暇10しかもらえず、夏季休暇もなし

これは結構キツイ有給休暇に関しては合法範囲で最も少ない制度になっている。あっという間に有休使い切って欠勤になり給与賞与が減らされる社員女性中心に多発してると思われる。というか女性が入れる会社ではない。

他社との比較だが、例えばNRI初任給27万円)は有休付与17日で、夏休みが別途5営業日ある。これが大手標準だがF社は大きく見劣りする。

時給換算で5%くらい劣後することになる。これを前述の1785円から差し引いたら、時給換算1700円。

住宅手当、家族手当がない

JTCなら標準装備されているこの2つがF社にはない。独身こどおじなら無影響だが、下宿者には辛いし、家族持ちなら年収100万以上変わってくる。

他社と比べて待遇面が10%くらい劣後してることになるので、これを前述の1700円から差し引いたら、時給換算1530円。もはや「並の部類」である

退職金がない

F社には退職一時金も確定給付企業年金DB型)も、401kもない。

これも他社と比べて5〜20%(制度次第)劣後することになるので、8%として前述の時給換算1530円から差し引いたら、時給換算1400円。

もはや「低い部類」に入ってくる。

唯一の救いは健保料率が低め

健保料率は従業員負担が3.98%とやや低い部類で、会社負担のほうが少し高めだった。はてなユーザーお馴染みの「関東ITソフトウェア健保」より0.8%くらい低い。年収500万なら手取りが4万円くらい増える計算

まとめ:高いように見える初任給には理由がある

今回はF社を取り上げたが、昨今の初任給アップ(の見せかけ)は実に多彩なカラクリが仕込まれている。

本件ではない他社の事例だが、ひっそり定時を30分延長するとか、健保の会社負担率を下げて従業員負担率を上げるという事例もある。また、退職金制度DBから401kに変えて、会社側の退職金積立負担を下げて基本給アップに回す事例がかなり多い。増田会社もこれをやった

よくよく募集要項求人票の内容を吟味し、不明点は素直に会社に聞いて、「高給のはずだったのにこんなはずでは…」とならないようにしよう。また、ぱっと見安く見えるJTCの初任給も、実は他の手当や福利厚生を含めたらかなり高いことがわかるはずだ。

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