この社会において、女性が性暴力の被害者になる確率は、ただ「女性である」というだけで圧倒的に高くなる。
ならば男性に性欲抑制剤(抗テストステロン剤)の定期投与を義務化するのは、ごくまっとうな社会的防衛策ではないだろうか。
「犯罪を犯していない人に制限を課すのは不当だ」と言う人もいる。
だが女性は日常的に、犯罪を“されないように”ふるまうことを強いられてきた。
夜道で足音に怯え、満員電車で体を固くし、上司に誘われた飲み会で断りづらい沈黙に耐えてきた。
加害者が「平均して男性に偏っている」以上、その構造を変える責任も男性にあるのではないか。
それでもまだ「男性というだけで制限するのは不公平だ」と言うなら、
統計的に見ても、高テストステロン値の個体ほど衝動的・暴力的傾向が強まるとされている。
だから一定値以上の者に対して制御措置を講じることは科学的にも正しい。
そうではなくて、構造的に加害性を帯びうる身体を、この社会でどう扱うかという設計の問題だ。
だがそうなったとしても、自分の身体が他者の恐怖の源である可能性があるなら、進んで制御されたいと思う。
性欲よりも人間らしく見られることの方が自分にはずっと大事だ。
テストステロンに支配された暴力的な人格は、国家や組織すら破壊しうる。