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2025-05-01

乙嫁語りの思い出

初めて「乙嫁語り」を読んだとき、私は中学生だった

体育祭か何かをサボって空き教室に逃げ込んで、同じくウンチ運動音痴)の陰キャの友人と漫画を回し読みしていた気がする

当時漫画といえばジャンプりぼんちゃおくらいしか知らなかったので、漫画の題材といい画力といい作風といい、乙嫁語りを読んだ衝撃はまさに革命レベルだった

当時はまだ2巻くらいしか出てなくて、今すぐ続きが読みたかったし結末が知りたかったが、およそ1年間隔という発行ペースを知り、一生完結しない気がして絶望した

さて当時私の心を捉えたのはパリヤさんだった

不器用で愛想がないが、よそ者だった主人公アミルさんを助けて歳が離れているが友人になるのだ

乙嫁語りは嫁というだけあり、登場人物は適齢期のお姉様が多く、13,14歳パリヤさんには親近感があった

不器用なところも好感が持てた

普通りぼんとかなら不器用主人公はそれが魅力として周囲からむしろ愛されたりするのだが、パリヤさんは不器用さが災いし、ガチ地元で浮いているのだ

パリヤさんに縁談話が持ち上がった際、私は何年かかってもパリヤさんの嫁入りを見届けると決意した

相手は旅先で出会ったウマル

「丈夫そうだから」という一点突破パリヤさんを選んだ猛者である


そんな私もも三十路である

パリヤさんに感情移入するだけあって甘酸っぱい青春は送らなかったが、兎にも角にも結婚した

私の人生は否応なく進むのに、パリヤさんはあの時のままだ

ていうかまだ結婚していない

掲載誌が変わり、今はどこで掲載しているのかすらわからなくなってしまった

パリヤさんを見る目は娘を見る目に変わってしまったが、やはり私は今でもパリヤさんの乙嫁姿を期待して最新刊を買ってしまうのである

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