女性専用車自体がない路線の話なので女性専用車にいけって話は受け付けません。
「誰もお前なんか痴漢しねえよ」
よく聞く言葉だ。実際私も痴漢すらされる需要がない女だと思ってるのでおしくらまんじゅうの身動き取れないようなところに更に人がなだれ込んでくる満員電車に普通に乗るし今も乗ってるけど数年前痴漢された。
自分の当時のスペックは170半ばかつ100kg越え。そう、百貫デブの喪女。黒髪メガネ。オタク。男性向けのエロのほうが好き。
デブは乗るな?すみません。今ダイエットしてます。ちなみにポケモンで当時の身長体重調べたらメガシンカのリザードンが一番比率近かった。ジュゴンまで行かなくてよかった。ひとまずエンペルト目標にしてる。
「自意識過剰」とか「お前なんか興味ない」とか言われる以前に「この見た目で女として見るやついねえよw」と自分でも思っているタイプだし、中高大も百貫デブまで行かずともデブかつ中1の時点で165はあったので痴漢を受けたことがなかった。
こんな私でもナンパもどきの声掛けを受けることが数回あるが「うれしい」にはならないし、たまに聞く「自分なら行けるレベルとナンパ男に思われた」という怒りも湧かない。「私レベルまで落とさないと可能性ないのか……何かしらの勧誘とかのノルマなのかな……」と相手を憐れむレベルになる。まあ無視するけど。人見知りなので。
それで痴漢の話に移る。
その日は冬、雨だか雪が降ってたか降るかもしれないだかそんな日で傘持ってる人も多かった。身動き取れないほどの満員電車に、それでも意外と人は乗れるのでどんどん人が乗ってくる。とはいえそれが日常。
駅と駅の間はだいたい5分。
横にスーツケース的な大きい箱物を持った人がいたから、まっすぐ立てずに腰から下だけやや横を向いてるみたいな状態で扉を見て立ってた。角度的に言えばとにかく明るい安村さんのネタですぐ浮かぶ野球部のあの体制から足をおろしたみたいなくらいの角度。
駅を出て3分程経過した後。私下っ腹に違和感を感じた。なにかが私のお腹に当たっている。パンツの上どころかややパンツを隠すように前掛けになりかけてるたくさんの脂肪に。
とはいえ満員電車、誰かのカバンかなにかが当たっているのだろうと気にしなかった。
1分くらい立つとそれが小刻みに揺れ始める。
私は推理する。満員電車、社内の人の持ち物。ふむ。これは…………
満員電車に苛立って長傘を持ちながら貧乏揺すりしてる人の手の甲とかだな?と。
お腹がスッキリとかズボンやパンツに少しだけ乗るくらいの人はベルトのように腰につけるウエストポーチを想像してほしい。
冬で厚着だからウエストポーチの底に何かが当たってる?くらいの揺れ。正直ぎゅうぎゅうの車内、なにかが体に当たってしまうのはよくあること。気にしていなかった。
と言ってもウエストポーチのようにパンツを隠すようについた脂肪を電車の揺れ以外で誰かに揺らされ続けるのは普通に嫌だったし、それが少しでも当たらないように動ける範囲でちょっとだけ体をずらす。
なんと一瞬離れたのにかかわらず当たってくるものが追随してきた。
なんで〜〜〜?(困惑)
そこでその貧乏揺すりマンの長傘があればやめろやの意味も込めて足で軽く払ってやろうと思うものの靴が動かせる範囲かつ、下っ腹に当たる位置の軸として機能しそうなところに傘はない。そこで気がつく。意識を持って指が1本お腹に食い込んできてる。
怖くて声が出せない。とかじゃない。まあ驚きで声が出せないに近いのかもしれない。とはいえまだ確証もない。
まず満員すぎて犯人がわからない。少なくとも私の下っ腹に手が届きそうな範囲には3人いる。
そして私も片手に通勤カバン、反対の手にはスマホで犯行してると思われる人の手を捕まえることも叶わない。
窓の外を見る。
実際にそこが陰部だったら嫌だけどまあ……下っ腹だし。
そして気がつく。私が体を捻っているのでこの人、私の贅肉を股間と勘違いしているのか、と。
なぜか気分をよくしたのか指の動きがやや元気になる。あ、もしかしてこれ私が避けたのを快感によって身をよじらせたとおもったな?ちがうんだって。
当たっている指の本数が1本から2本に増える。愛撫からフィニッシュまで行くまでの薄い本バリの展開の速さ。
駅が見えてくる。
下っ腹をタプタプするガシマンならぬガシ下っ腹の指が早くなる。
冬用の厚手のズボンだから実は対して触られてる感覚もないし、まずそこ贅肉だしどうすりゃいいんだよ。いや痴漢なのか。
フィニッシュと言わんばかりに指が一番激しくなる。
エロ漫画だったらきっと駅に到着と同時にイく流れかもしれない。
そんなことはない。ここはフィクションじゃねえんだぞ。
私は今知らん誰かにお腹の脂肪を小刻みに揺らされているのだ。どんな状況?
だがしかし何度も書くがそこは私の長年の脂質と糖質でできた高級ボディの一部。
誰かの指がただただ私のパンツのウエストラインとそれを隠すように乗った脂肪の境目部分を指の腹を上にしてフックのようにした指が、厚手のズボンのおかげでなにかと勘違いしたパンツの縫い代の最後のちょっと出っ張った部分を押し込んでくる。なんならその押し込まれた端っこ部分の食い込みがやや痛い。
扉が空いた直後手は離れ、個人的に痴漢候補者の付近の人たちも私も一斉に車外に流れ出る。
正直就業時間ギリギリだったので釈然としないものの、そのまま私は乗り換えるために去っていった。
これが二十数年生きてきて中学から十年以上電車で通勤通学している私の初めての痴漢だった。
別にその被害によって「私は」泣いてはいないし、電車に乗ることが心理的に負担になってるわけでもない。強いて言うならでそれ以来エロ漫画で痴漢モノをそんなに読まなくなったくらいで。だってリアリティがなくて(いまさら?ではある。エロ漫画にリアリティあっても困る。でもたまに読む)ちなみに胃カメラ経験してから触手モノもあんまり読めなくなった。オエってならないの、すごいなって。
ただ私の対応は世間で言えば「泣き寝入り」に入る部類だし、他の女性からしたら変な成功体験を性犯罪野郎に与えた女なだけだ。
お尻や胸ではなく下っ腹をたぷたぷされたという状況だけ書くと面白いし私も何これ?と今でも思ってるが、これは相手の誤認と私の特殊なボディでたまたま下っ腹になっていただけで、一歩違ったら普通に性器だったのだから。
これで味をしめた私の下っ腹たぷたぷ野郎が他の女性にもっとエスカレートした行為をしてるかもしれないと今思えば声くらい出せばよかったかな?とはおもう。
この経験から他の路線で女性専用車があれば絶対にそこに乗るかと言われたら全然そんなことはない。
(もちろんこんなことは滅多にないというのは前提で、とある猛暑日の満員の女性専用車で、女性の多種多様な気遣いによるいい香りを全部まとめた匂いで気持ち悪くなり吐きかけた経験があるから。制汗剤と整髪剤と柔軟剤全部まとめてほんのり遠くに汗の香りみたいな女子校の体育の後の着替え中の香りに香水とワキガを混ぜた香りだった。正直現時点では痴漢よりこっちがトラウマである)
あと私が日本人の男性の平均身長よりも高い私が女性専用車乗ると頭一つ抜けて大きいからなんか……たまに怖い視線が。向いてくる。日本人の女性の平均に対してアス比どちらにもでかいけど女です。巨デブ喪女キモオタクですみません。
ただこの経験から女性専用車に乗りたがる人、男が入ってきてほしくない人はいるだろうなとも思ったのは事実。
私だってきっとガシ下っ腹じゃなくて実際にされてたら普通車両が怖くなってたと思う。
これは痴漢自慢ではない。
ただ「誰もお前なんか痴漢しない」っていう人に対して、それがケツとタッパと脂肪のある欧米人の観光客とかでみるような体型の女もされるからほんとに痴漢するやつ見境ない、もしくはめちゃくちゃ趣味が幅白いか多種多様な人がいるんだよ。っていう話。
書き味がおもろくて最終的に可哀想20面白い80になってしまったドンマイ まあまず痴漢しようってなること自体が異常だからな、そりゃあ多様な奴はいるよな