朝日が牧場の広い空を照らし、青空が広がっていた。ひんやりとした空気が肌を包み、風は優しく草を揺らす。牧場の小道を歩くおじさん、名を吉田という。彼の顔には長年の労働が刻まれているが、その目は優しさに満ちている。彼は毎朝、チー牛たちに声をかけ、元気よく仕事を始めるのだ。
吉田おじさんは牧場の入り口を開け、チー牛たちが待つ小屋に向かう。大きなチー牛たちがじっと彼を見つめている。中でも、白と黒の斑点模様の大きなチー牛、「ミルクさん」が目立つ。その眼差しはどこか優しげで、彼が一番の主役であることが分かる。
「おはよう、ミルクさん。今日も美味しいミルクを絞らせてもらうぞ」
ミルクさんはおじさんの声に反応し、ゆっくりと首を動かして答える。
「モォー、吉田おじさん、今日も頑張ってくれるんですね?待ってましたよ❤」
彼の声はどこか甘く、柔らかい響きで、まるで人間のように言葉を操る。吉田おじさんは微笑みながら、丁寧にミルクを絞る準備を始める。少しの間、ミルクさんは静かに待っていたが、いざおじさんの手が触れた途端、彼の体は軽く震え始める。
「モオォォッ❤、おじさん、上手に絞ってくださいね、私も気持ちよくなっちゃうからね!」
吉田おじさんは優しく手を添え、ミルクさんを絞り始める。ミルクさんは、少しだけ目を細め、甘い声を上げた。
「モオオオオオォォォ…❤、気持ちいい~…もっと絞ってください、お願い…❤」
吉田おじさんは、さすがに長年の経験を積んだ手つきで、ミルクを無駄なく絞っていく。ミルクさんは、まるで幸せそうに目を閉じ、さらに声をあげる。
「モォォォ~ッ❤、とっても気持ちいいです…❤」
その声が牧場に響き渡る。周りのチー牛たちも、まるでその幸せな空気を感じ取っているかのように、穏やかな表情を浮かべている。
数分後、絞り終わったミルクさんは、体を震わせ、ガクガクと足元をふらつかせた。
「モォォォォ~…❤、もう…たくさん出たよ…ふぅ…❤」
その声は、疲れたようでありながら、どこか満足げだった。ミルクさんはその場に座り込むようにして、腰を抜かし、ふわりと地面に座り込んだ。おじさんはそっと彼の頭を撫でて、優しく声をかけた。
ミルクさんは「モォォォ」と一声上げ、満足げに目を閉じていた。
その後、吉田おじさんは、絞った新鮮なミルクを子どもたちに持っていく。子どもたちは、牧場の中で作った自家製のチーズやソフトクリーム、そして牛乳を楽しみにしている。
「わぁ、これがミルクさんのミルクだ!」と、子どもたちは歓声を上げながら、テーブルに並べられたチーズやソフトクリームを見つめる。
「いただきます!」
一口食べると、チーズの豊かな風味が口の中で広がり、ソフトクリームは口当たりが滑らかで甘さが絶妙に感じられる。牛乳も、口に含むととろりとした食感と濃厚な甘さが広がり、子どもたちは幸せそうに顔を輝かせながら、次々と食べていく。
「おいしい!これが本物のミルクの味なんだ!」
子どもたちの声が牧場に響き渡り、吉田おじさんは満足そうに微笑んだ。彼の仕事が、こんなにも多くの人々に喜ばれることを心から嬉しく思いながら、ゆっくりと日が昇る空を見上げた。