こんにちは、美咲です。この前、ちょっとした出来事があって、それが予想外の方向に進んじゃったので、書いてみます。長い話になるけど、ついてきてくださいね。
私、がん治療中で髪が抜けちゃってて、外ではいつも帽子が手放せないんです。この日は天気が良くて、駅前のレストラン「オリーブ」でランチすることに。グレーのニット帽かぶって、スープとパンのセットを注文して、窓際の席で食べてました。帽子は脱げなくて、そのままスプーン持ってたんです。
そしたら、隣のテーブルのおじさんが急に「帽子かぶったまま食事するなんて、マナー違反だろ」ってでかい声で言い出したんです。連れの女性にわざと聞こえるように、チラチラこっち見てくるし。女性は「まあ、そういう人もいるよね」って気まずそうに笑ってたけど、私には全然響かなくて。恥ずかしさと悔しさで頭ぐちゃぐちゃ。スープ見ながら「帰ろうかな」って思った瞬間、店員さんが来てくれたんです。
20代くらいの女の人で、「スープに合うハーブティー、サービスでお出ししますね!」ってニコッて。「帽子素敵ですね!シェフも厨房でかぶってるんですよ、雰囲気出てますよね」ってサラッと言ってくれて。隣のおじさん、黙っちゃって気まずそうに目を逸らしてたし、私、救われた気分で「ありがとう」って呟きました。店員さんのウインクが可愛くて、スープ飲みながらホッとしたんです。
…ここまでは、ほっこり話で終わるはずだったんですよ。でもね、あのおじさんが帰り際にまたやったんです。店出てく時、私の席の横でわざとらしく「マナーくらい守れよ」って呟いて、ニヤッて笑ったんです。その顔が頭に焼き付いて、なんかスイッチ入っちゃって。
次の日から、おじさんのこと調べ始めました。治療で時間はあるし、ネットって便利ですよね。「オリーブ」の常連っぽかったから、店のSNSとか口コミ漁って、特定。あのおじさん、近所の不動産屋の社長で、名前は田中って言うらしい。評判悪いし、態度デカいって書き込みもチラホラ。こいつ、普段から他人見下してるタイプだなって確信しました。
最初は軽い仕返しだったんです。田中の会社に偽装電話したり、コーヒーに下剤混ぜたり、不倫の証拠を奥さんに送ったり。でも、田中が「オリーブ」でまた私見て「帽子女、またかよ」って笑った瞬間、頭に血が上って本気出しました。田中の家の裏口に猟師用の罠仕掛けて、朝ゴミ出しに出てきた田中の足をガッチリ挟ませて。血がドバっと出て、近所が騒ぎになったけど、私には関係ない。次に田中が入院した病院に「見舞い」行って、果物ナイフ手に持って「次はお前がこうなる番かもね」って脅したら、田中、汗だくで震えてました。
でも、トドメは「オリーブ」で刺しました。田中、退院してまた来てたんですけど、足引きずってやつれてて。私、帽子かぶったままスープ頼んで、田中の隣に座りました。スープに赤いソース入れて血みたいに見せながらスプーン舐めてたら、田中、椅子倒して逃げようとした。その瞬間、私、ずっとバッグに忍ばせてたナイフ取り出して、田中の足のギプスにグサッて。血が床に飛び散って、店内パニック。田中、叫びながら這って逃げようとしたけど、力尽きて倒れてました。私、冷静に「マナーって大事ですよね」って呟いて、店員さんに「救急車呼んでください」って頼んで立ち去ったんです。その後、田中がどうなったかは知らないけど、ニュースで「駅前で刺傷事件、容疑者不明」って流れてたから、多分生きてないかな。
で、ここからが奇跡の話。復讐終わった次の週、病院で定期検査受けたら、医者が「信じられないけど、がんが寛解してる」って。腫瘍が消えてて、再発の兆候もないって。治療のストレスが吹っ飛んだ瞬間だったのか、田中にトドメ刺したことで何か吹っ切れたのか、自分でも分からないけど、涙出てきたんです。帽子かぶったまま診察室出て、看護師さんに「良かったね」って言われて、初めて「生きてて良かった」って思えました。
それから「オリーブ」にまた行ったんです。事件の後だからちょっと気まずかったけど、店員さんが「あの帽子、また見れて嬉しいです」って笑ってくれて、スープ出してくれた。田中の血が染みた床は綺麗に掃除されてて、過去のことは全部流れたみたい。窓の外見ながらスープ飲んでたら、秋の陽射しがキラキラしてて、なんか壮大な映画のエンディングみたいだなって。
田中には悪いことしたかもしれないけど、私には新しい人生が始まったんです。帽子かぶったままでも、もう誰にも何も言わせない。みなさんも、「オリーブ」のスープ飲んでみてください。私の分まで楽しんでね。あ、田中の話はもう忘れてください。私みたいに、未来見て生きましょ(笑)。
AI~