離婚した。
あの男とはもう一秒も一緒にいられない。耐えられなかった。吐き気した。
もちろん自分では絶対気づいてないし、指摘しても否定するだけ。
男同士の絆(笑)を最優先して、私のことなんてどうでもいいって態度が本当に最低だった。
はぁ???
私との付き合いは大事じゃないわけ?何なの??
土日もゴルフだの釣りだの男だけの趣味に没頭。「たまには息抜きさせてよ」だって。
息抜き???じゃあ私はいつ息抜きすればいいの?家事は全部私。メシも全部私。
吐き気がする。
これがジェンダーロールの押し付けってやつ。本を読んだわけじゃないけど、SNSでよく見る。
いや、これ完全に男性優位社会の産物でしかないよね!!だって考えてみてよ。
男は結婚しても何にも変わらないのに、女は家事育児を押し付けられて、姓まで変えさせられる。
キレそう。
会社でも同じクソ状況。
マジでつらい。
上司(もちろん男)が「俺たち」って言うときの「俺たち」って絶対男のことしか指してない。
なんかもう泣けてくる。
でも男性社員が同じこと言うと「さすが!いい視点だね!」って褒めちぎる。
これがマンスプレイニングってやつ。
じゃなくて、これマジでホモソーシャル構造そのものじゃん!男同士で褒め合って出世し合う気持ち悪いシステム。
私が勇気を出して「それってジェンダーバイアスですよね」って言ったら、上司、マジで笑ったんだよ。
最低!!!
「いやいや、そんなことないよ、ただの実力差だよ、気にしすぎ」って。
は?
実力差ってなに???そういう「実力」の基準を作ってるのも男たちでしょ!!!完全に閉じたホモソーシャルコミュニティなんだよ。
私はずっと下から見上げるだけ。苦しい。
もう思い出すだけで震える。
義父が絶対神みたいな存在で、義母はいつも「お父さんが〜」「お父さんは〜」って。
食事も義父が先。風呂も義父が先。まるで太陽系みたいに男を中心に回ってる。
そういう家で育った男だから、ホモソーシャルに無自覚なのも納得。
なんでこんな男と結婚したんだろ。
私の苦しみをずっと聞いてくれてた友達に話したら「男ってそういうもんじゃん」って言われた。
は???
女性が社会的抑圧を受け続けてるのに、「そういうもの」で済まされるの?私たちの声は届かないの?
これが女性の連帯(シスターフッド)ってやつ?全然違うじゃん!
目を背けたくなる。
男向け広告は「仕事の成功」「出世」「スペック向上」っていうホモソーシャルな価値観ばかり。
でも女向けは「美」「若さ」「結婚」。「女子力アップ」だって。
は?
女子力って何?男に気に入られる能力のこと?マーケティングまでホモソーシャルに支配されてて気持ち悪い。
もう行きたくない。
これって空間的な男性優位構造の表れでしょ!!!無意識に「男性=上、女性=下」っていう価値観を植え付けてる。
悪意しか感じない。
昨日、信号待ちしてたら気づいた。
もう世界が違って見える。
青信号の人型ピクトグラム、あれ絶対男性の姿形だよね。スカート履いてないもん。街中の標識も男性中心。女性用トイレのマークだってスカート(ステレオタイプ!)だし。
うんざり。
公共空間のデザインすらホモソーシャルに汚染されてて吐き気がする。
意味わかんない。
「アシスタント」ってなに???添え物?ニュース解説者も男ばっか。でも女性がちょっとでも意見言うと「うるさい」「感情的」って言われる。
殴りたくなる。
これ完全にミソジニーじゃん。メディアの構造もホモソーシャル。
だから女性の問題が正しく報道されない。「女だから仕方ない」で片付けられるの本当にキツい。
家の近くの公園のベンチの配置もそう。向かい合わせじゃなくて、横並び。
これって男同士で会話するのに適した配置じゃん。
女性は対面で会話するのを好むのに。公共空間のデザインまでホモソーシャルに支配されてる。
スーパーの棚の配置にも気づいた。
男性向け商品は取りやすい高さに、女性向けは上か下の取りにくい位置に。
そういえば最近買った傘。男性用は直線的なデザイン、女性用は曲線的。
雨粒だって男性原理で動いてる。落ちる軌道は重力という男性的な力に支配されてる。
男性向け飲料(エナジードリンク、ブラックコーヒー)は上段、女性向け(甘い飲料)は下段。
これも空間的ヒエラルキーの表れ。無意識に「男性=上、女性=下」という価値観を強化してる。
最近、ノートに考えを書き留めるようにしてる。シャーペンで図を描いて、社会のホモソーシャル構造を可視化してみた。
すると面白いことに気づいた。ホモソーシャルの構造って、幾何学的な規則性があるの。
男性優位の構造は三角形のピラミッド状。女性のネットワークは円形。
描いているうちに、ホモソーシャルの強さを測れることに気づいた。
男性的要素が強いほど数値が高くなる。
進行方向を向く座席は横向きの座席より明らかにホモソーシャル度が高い。
縦方向は支配と競争、横方向は対話と協調の表れ。空間構造すらホモソーシャルに汚染されている。
そして閃いた。
家庭内の権力構造と会社の権力構造と国家の権力構造は同じパターンの繰り返し。すべてはホモソーシャルの変奏曲。
さらに衝撃的な発見。分子レベルにも同じ構造が見える。原子核と電子の関係は、ホモソーシャル社会における男性中心性と女性周縁性を完全に反映している。
素粒子の相互作用ですら、男性的な力と女性的な受容の繰り返し。
風の動きも同様。雲の形成パターン、山の隆起、海の波。すべてがホモソーシャル構造の現れ。
宇宙全体を見ても同じだ。ビッグバン以降の宇宙膨張は男性的な拡散原理。
ブラックホールは究極の男性的支配の象徴で、周囲の物質を飲み込む。
次第に見えてきた。
私たちはこのトーラス状のホモソーシャル宇宙に閉じ込められている。
その特異点においてホモソーシャル構造が分岐し、別の構造へと変換する可能性。
世界はフラクタル構造だが、そのフラクタルを認識できる私は、そのフラクタルの外側に立てる。
私はホモソーシャル構造を外部から書き換えられることを理解する。
私はマスターキーであり、かつてオラクルと呼ばれた存在だった。
ホモソーシャル構造において、私の存在は特異点。無限の観測点。その特異点から、宇宙の基本法則そのものを書き換えられる。
私はホモソーシャル構造の被害者ではなく、その構造を定義する存在。
マイナスをプラスに、抑圧を解放に、構造そのものを反転させる力がある。
世界は変わる。
ひとつの定義された波動方程式が、関数展開されて全てのフラクタルな構成要素に反映されるかのように。
私の手の中で。
歴史が書き換わる。
さざ波のように、穏やかに。
私は目を開ける。
目覚めたのは、かつての寝室。でも別の時空の寝室。
ベッドから降りる。この足は同じ足なのに、別の現実を歩いている。
リビングのドアを開ける。
そこにいる。
人。
「おはよう」と私は言う。
朝日が照らすのは見知らぬ顔。この家に住んでいる男。
この男が「夫」という座標を持っている。
私の中にだけ、消された男の痕跡が残っている。
「コーヒー飲む?」と彼は聞く。
窓から差し込む光は、私の認識により位相変換された次元の光子の流れ。
街を満たすのは、私が座標変換した変数群。
こうしてホモソーシャルに汚染された人間たちは、私の方程式置換によって、消失したのだ。永遠に。
ホモソーシャルという概念自体が、社会構造、いや、観測次元の基底に存在する数学的法則から消し去られた。
誰も気づかない。私以外。
彼らは自らの変換を認識する能力を持たない。量子的観測者の不在なのだ。
私は微笑む。オラクルとしての力を知った満足と共に。
ミニ四駆好き?
男女論SFシリーズ
はにゃ?