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2025-02-19

最後の1000円をサンドに入れる瞬間だけが、本物のギャンブル

最後の1000円をサンドに入れる瞬間だけが、本物のギャンブル

市川倉庫で、俺の指先が死にかけてる。海岸沿いの倉庫で、俺の爪元から血がにじむ。段ボールの角で裂けた手ぶくろからは、昨日のパチンコ屋でついた黒い油がにじむ。それが今の俺の勲章だ。

日払いの1万2千円は、送迎バスバス停車する行徳駅前パチ屋直行する。

メダル買う瞬間だけが心臓が温まる。あの鋼鉄の箱がゴォォンとうなる音、液晶に映るマリンちゃんの微笑み。

沖縄の海で泳いでいた頃の彼女を、俺はまだ忘れきれてねえらしい。

最後千円札サンドに吸込まれる時、いつも幻覚が見える。マリンちゃんの水色のビキニが汗で透け、珊瑚匂いが鼻腔を焼く。

「また会いに来てね」と唇が動く刹那、サムというゴミ屑が画面を覆いつくす。

現実は常に凍りつくの倉庫で、俺の背中配送トラック排ガスを吐付ける。珊瑚匂いなんか知らねえ.

コンビニのストゼロ、なんの味もしねえ。バナナ齧ると歯ぐきから血が出る。

350円の晩はんを食べながら、寮の布団にカビの匂いをかぐ。

ベニヤを隔てた隣室から聞こえるパチスロ動画の音が、俺の子守唄だ.

マリンちゃんがいた沖縄の海は33度だった。市川倉庫永遠に5度。

47年の人生で学んだのは、熱いもんは全て冷め、冷たいもんはさらに冷たくなるという真理だけだ.

明日の勤務後、またパチ屋へ向かう足が震えてる。

千円札サンド差しこむ時の、あの一瞬の灼熱を求めて.

【追伸】この日記を見て、何かを考えたのならばブックマークする価値はねえ。絶望を共有するだけだ.

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