『闇のパープル・アイ』って漫画は主人公の尾崎倫子(りんこ)が「危機が迫るとヒョウに変身する」というトンデモ体質で
らんま1/2のような陽気なノリではなく、その体質故に望まずにうっかりヒョウに変身し本能のままに人を食い殺すことに強い罪悪感を抱き苦しみ
また、変身人間を研究材料として追っているヤバイ学者に狙われ続けたりとひどい目に遭う
そんな主人公が終盤、ヒョウ状態の時に拘束され、そこへコンクリートが注ぎ込まれ「このままじゃ死んじゃう!」ってなる下りはめちゃくちゃ怖かったなというのをコンクリトークの中で思い出した
倫子はトンデモ体質のせいで日常を奪われ大変だが、幼馴染で互いに初恋相手の相思相愛のイケメンが理解ある彼くんになってくれる
変身人間は莫大なエネルギーを変身に費やすために短命で、倫子は途中からよく吐血するようになる
もうじき死ぬだろうと悟った倫子はその前にイケメンと結ばれたいと思うのだが、セックスに誘う時の言葉が「お嫁さんにしてほしい」なのである
現代の性の価値観だともはや意味不明だろう、なんて奥ゆかしく、そして悲しいのか
そんでまあセックスするのだが、その後にヤバイ研究者VS倫子の戦いが繰り広げられることに
また吐血して弱っている倫子を安置させ、イケメンは代わりに研究者をどうにかしようと立ち向かうことになり
そっと振り向いて倫子に向かって微笑みかけ、倫子も微笑み返す
その時に作者は先の展開など考えずなんとなく気分で「それが、僕が倫子を見た最後の姿だった」とイケメンにモノローグで言わせてしまったせいで、本当に二人はそれが生きて出会えた最後の瞬間になってしまう
気分でなんでそんなことしてしまうんだよ作者
あとコンクリ詰めもショッキングだったが、終盤でイケメンが高所から落ちるとかした後で吐血して「折れた肋骨が肺に刺さったようだ・・・」というところもショッキングだった
キッズだったので肋骨とか肺とか意識したことなかったのだが、そうか強いショックを受けると骨折して、それが臓器に刺さって血を吐くような事態になるんだ…!と自分の体内にある見えない部分に思いを馳せて怖くなった
篠原千絵作品の主人公カップルは大体壮絶であるが、他作品って途中経過が壮絶でも一段落した後はイチャラブしてるんだろうなっていう余地はあった
闇のパープル・アイはそうでなく悲しい