上納でも性接待でもないが、上司のコンプラが前時代のまま更新されていなかった。
このおじさんはとてもカラオケが好きで、若い子と歌いたがる人だった。
最初は直属の男性社員を幹事に立てて新入社員を男女とも全員カラオケに集めて「おじさんを気持ちよく歌わせてヨイショする会」を開いていた。新人は10人くらい。めんどくさかったけど新人同士の交流の側面もあるかなあと思って参加してた。
ところが、あるとき「このカラオケ会の話をしたらさあ、〇〇くん(別の男性管理職)も若手の子とカラオケしたいらしいから、新人の女の子集めてくれる?」と私(女)に幹事を振ってきた。
おじさんは今まで一度もセクハラめいたことをしたことがなかったし、ただ気持ちよく歌うのを若い人に聞いてほしいだけだと思っていたので「はあ」と生返事したものの女性限定であることにびっくりした。
同期はみんな仲が良いし、私が誘えばきっと来てくれるだろう。でも女の子限定で招集かけられたんだけど来てくれない?って友達に言うの、嫌だなあ。なんてモヤモヤして、結局当時の私は若者らしい潔癖さで「女性だけを招集する理由がわかりません。今までどおり同期の男性職員も一緒で良ければ幹事をします」とメールで返答した。
おじさんは自分がセクハラをしでかしたことに気付いたらしく、今までのゆるい態度からは考えられないカッチリとした社会人としての謝罪メールが来た。
時代錯誤なお願いをして不快にさせてしまい申し訳ない。自分の認識が古いままだった。というような内容。
結局その後二度とカラオケ会は開かれなくなった。