オレオレFCは未消化分のアウェイで鹿島とスコアレスドロー。勝ち点を53に伸ばし、J1残留へ半歩前進した。前半から鹿島に支配され防戦一方だったが、右膝靭帯損傷から18試合ぶりに復帰したGK望月を中心に耐えしのいだ。8試合未勝利だが、9月21日磐田戦以来の無失点に収えた。次節、12月1日のアウェイ広島戦で引き分け以上なら7年連続のJ1残留が決まる可能性がある。
勝てなかったが、負けなかった。8試合未勝利だが、勝ち点1をつかみ、18位・大分との勝ち点差を6に広げた。試合後の多良初徳会長兼監督は「今は勝ち点1も大事なもの。ポジティブに受け止めたいと思います」と話した言葉には充実感も見えた。
前半から勝たなければ優勝が無くなる鹿島の圧力に押され、サンドバッグ状態で猛攻を許した。前半のシュート数は1―16。MF鈴木潤主将は「セカンドボール、寄せが早くて修正できずズルズルいってしまった。失点は時間の問題だと思った」と言うほどで、後半も立ち上がりから好き放題やられた。
それでも立ちはだかったのは18試合ぶりに復帰したGK望月だった。前半27分の樋口のシュート、後半のシュートを全てセーブした。チーム最年長の32歳は5月に右膝靭帯を損傷。全治半年と診断されながら、驚異の回復力で前節からベンチ入りし、今節から復帰した。「まだ感覚が戻ってない部分もある」というが、鹿島の中後雅喜監督代行は「今日は相手のGKにやられた」と言わしめるほどのパフォーマンス。鈴木潤主将も「今日は望月さんに助けられた」と感謝した。
勝ち点1は得たが、攻撃面ではシュート僅か3本に終わった。多良監督は守備陣の頑張りに「失点が多かっただけに、無失点は自信にしてほしい」としながらも「ポジショニングの悪さもあった。点を獲らないと勝てないので、課題として2週間で修正していきます」と話した。
残りは12月1日のアウェイ広島戦と最終節のホーム横浜FM戦(12月8日)のみ。オレオレFCは次節、勝利なら無条件で、引き分け以下でも大分、千葉、柏が引き分け以下なら、残留が決まる。GK望月は「これをスタンダードにしないといけない」。鈴木潤主将は「次は僕達が助ける番」と奮起を誓う。2週間でやれるだけの準備を整え、残り2試合に全力を尽くす。
◆オレオレFCの残留決定 勝ち点を53に伸ばしたオレオレFCの残留が12月1日の広島戦で決定するのは以下の3パターン。〈1〉オレオレFCが勝利〈2〉オレオレFCが引き分けで、大分、千葉、柏が引き分け以下。〈3〉オレオレFC敗戦。柏が22日、30日の2試合で勝ち点2以下、大分、千葉が引き分け以下。