lynx   »   [go: up one dir, main page]

2024-11-02

うちの会社にいるインドのS君

S君が入社したのは1年くらい前。最初ほとんど日本語が話せなくて、基本的には英語オンリー

でも、挨拶とかそういった基本的ものは頑張って覚えてきてくれてて、「おはよございます!」とか、やたら元気よく言うんだよね。

ちょっとアクセントが独特で面白いんだけど、まあ言いたいことは分かるし、そんな風に少しでも日本語で話そうっていう姿勢に、周りも「S君、頑張ってるなー」って応援モードだった。

しかし、そんなS君の日本語の中で唯一謎だったのが、「ありがとう」を「クロコダイル」って言うこと。

最初にそれを聞いたのは、私がコーヒーをいれてあげた時だった。

「どうぞ」ってカップを渡したら、S君が真剣な顔で「クロコダイル!」って言うんだよね。

え?クロコダイル?…と思って聞き返したんだけど、彼はにこにこして、特に訂正する様子もなく去って行った。

で、その後も、彼は何かしてもらうたびに「クロコダイル!」って言うの。

普通に考えて、なんでクロコダイル?って感じでしょ。私だけじゃなくて、社内でもちょっとした話題になってて、みんな「S君ってワニ好きなのかな?」とか、「クロコダイルカバンでも持ってるのかな?」とか、そんな推測が飛び交ってた。

そんな状態も1カ月もすると収まって、S君とランチを食べに行ったときに、とうとう聞いてみた。

「ねえ、S君、そういえば『クロコダイル』ってどういう意味で言ってるの?」

そしたらS君、ハッとした顔して、それから顔をちょっと赤らめて笑いながら話してくれた。

S君が日本語勉強してた時、どうも「ありがとう」発音を「アリゲーター」に近い感じで覚えたらしくて、頭の中で「お礼の言葉=ワニ」っていう結びつきができちゃったらしい。

で、日本に来て、初めて会社の人にお礼を言おうとした時に、緊張してて、どうしても「ありがとう」が思い出せなかったんだって

でも「確かワニの名前だったはず!」って、そこだけは覚えてたから、咄嗟に「クロコダイル!」って言ってしまったらしい。

何だか微笑ましエピソードで、思わず笑ってしまった。

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん
Лучший частный хостинг