キリンビバレッジは、ヘルスサイエンス飲料の売上収益を2030年には2倍以上にすることを目標に掲げ、「ヘルスサイエンス」領域に注力する。特に、機能性表示食品の独自素材「プラズマ乳酸菌」を使った商品を通して、免疫ケアの定着化を図る。一方、24年に立て続けにリニューアルした「午後の紅茶」「生茶」も好調。24年にまいた種を、25年も成長させ続けられるのか。
キリンビバレッジ(東京・中野)は2025年1月29日、同年の事業方針を発表した。
強調したのは「ヘルスサイエンス領域をけん引する企業になること」。目標は、24年に全体の約10%を占めるヘルスサイエンス飲料の売上収益を、2030年には2倍以上にすることだ。
24年の清涼飲料市場は、前年比100%の見込みと伸び悩んだ。
キリンビバレッジ代表取締役社長井上一弘氏は「原材料や燃料のコストの高騰が、原価や物流域に大きな影響を与えている」と説明した。また、今後の課題として「中長期的に労働人口の減少によって生産数量が先細りする見込み」(井上氏)も示した。
そのような厳しい状況の中で、キリンビバレッジが希望を見いだしているのが「ヘルスサイエンス」の領域だ。井上氏は「世間の健康意識が高まり、ヘルスサイエンス領域は伸長する見込みだ」と話した。
24年のヘルスサイエンス領域は好調
キリンビバレッジは、健康な人の免疫機能の維持をサポートする機能性表示食品として認められている独自素材「プラズマ乳酸菌」を保有し、それを使用したブランド「おいしい免疫ケア」「iMUSE(イミューズ)」などを展開している。
さらに、24年にはファンケル(横浜市)を完全子会社化したり、花王から茶カテキン飲料「ヘルシア」ブランドの事業譲渡を受けたりすることで、ヘルスサイエンス飲料の領域拡大に向けた動きを見せていた。
実際、24年のプラズマ乳酸菌入り飲料の販売数量は、前年比107%と伸長している。
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