私の志
ジャーナリスト、そして政治の世界へ向かったきっかけ
こんな社会は嫌だ、と言う思いがいまのジャーナリストの仕事と、政治への志を支えてくれています。そのきっかけはたくさんあるけれど一番おおきなのは、福島の原発事故です。
政府は当初、対応する能力が十分に無かった。そして大手メディアもちゃんと事態を伝えてこなかった。自分の場合は、生まれたままの子供がいる状況で(子供と妻は、里帰り出産していて東京には当時いなかったけれど)、果たして東京に呼び戻して良いのかどうか迷った。
それに、今後の自己処理にどれだけのお金が必要になるのかも分かっていない。自己の具体的な状況についての情報公開や報道もアメリカ政府や、海外メディアの方が進んでいた。
それで、最初はジャーナリストを志しました。
報道の世界に入って
マスコミではいわゆる「縦割り」があって官庁の情報を全国紙やテレビ局が独占してるという話を良く聞いていた。でも、きちんと取材を工夫していじけなければ、ぜんぜんハンディにならずに記事が書けると言うことが分かった。実は雑誌メディアとかは、ここで諦めてる人が多いけれど「やってやれないことはない」というのが分かった。
ただ一方で、大手メディアが記者クラブの既得権に甘えてるーーそして行政に甘い質問しかしない、遠慮をしてる実体も分かって日本の報道が健全でない理由が分かった。
だけど、世界のジャーナリストはそうじゃなかった。自分はいま「日本外国特派員協会」(外国人記者クラブと言われることもある)というところの会員として、多くの海外メディア記者と机を並べてる。
もともと、オープンな組織だけどきっかけは去年の11月に開催された舛添要一東京都知事の記者会見。ここで知事の政治資金疑惑を追及したら、その内容を何人もの自分でも知ってる尊敬できるジャーナリストが認めてくれて、会員に推薦してくれた。
外国メディアが自分を受け入れてくれた。じゃあ、自分もローカルな文京区ももっと開いていこうと思ってる(実際は大学の関係などで外国人の人も多いし通勤通学では他の自治体に行っている人も多いけれど)。
実績と挫折
福島原発訴訟
阿部康隆さんという、自分が東大法学部で受けた行政法の教授のさらに教授の論文にデビュー判例が記載された。マニアックな話だけど、行政事件訴訟法の「原告適格という訴訟要件について、主張立証責任の転換を認めさせた初の判例」です。
司法試験は落ちて、弁護士には慣れなかったけど、大学院を卒業してすぐに挑んだ裁判できちんと専門家に認めてもらったことは自信になってる(当時は2011年と2012年の2回、ヤフーニュースのトップになった(※1) )。『画期的な判例』て言われてる。
弁護側のトップは司法試験で行政法の試験官をしてる人で裁判長も行政法の試験官、そしてちょうど自分は受験生というアウェーな環境でドンキホーテとも言われた。そして裁判は2年半たって負けた(※2)。
※1
今あるリンクは、この二つ。
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1106/09/news014.html
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1202/07/news056.html
※2
http://www.fukuishimbun.co.jp/nationalnews/CO/national/793383.html
10代
高校中退をして、フリーター暮らし。派遣の仕事もやったし、「フルコミッション」(最低賃金なしで完全歩合制。いまおもえば、労働法的におかしい気もする)の会社、それに飲食系のブラック企業や社長が新興宗教にハマっててあさから朝礼で変な唄を唄わされたり・・・いろいろあった。
でもその分、使ったお金で自由は買えた。村上春樹氏の「遠い太鼓」というエッセイであこがれた海外を、大体三〇カ国くらいバックパックで旅行できた。日本人旅行者だと、お金持ちと思われていろいろな犯罪者もよってくるので、危ない状況の見分け方も鼻がきくようになった。このときの行動力は今でも生きている。
報道を始めてからの実績と成功
アメリカ情報公開法でアメリカ政府に直接情報公開請求した。アメリカの法律を日本人でも使えるのは、専門で勉強していたし、英語は独学である程度自信があった。そして福島事故の秒刻みで作られたアメリカ政府議事録を、アメリカ原子力規制委員会から入手した。アメリカの進んだ情報公開体制と、きちんとした記録体制が分かった。この件は、報道ステーションでゲスト出演させてもらった。
1兆円上場が噂されていた、LINE社の上場見送りが決まった日に、著作権法侵害の事例が多い「まとめブログ」を運営しているからコンプライアンスが問題になったのではないかという指摘を初めに行った。産経新聞その他でも、それ以降に同じ内容が書かれるようになった。Wikipediaにソース記事にもなってます(自分でソースを編集したわけではないです)。
2ちゃんねる乗っ取り事件の報道と、新管理人のJIM Watkins氏インタビュー
実は2014年2月19日に運営会社同士の紛争が原因で大手掲示板2ちゃんねるの管理者が、西村ひろゆきさんから。元アメリカ軍人のジムさんという人に変わった。この人の単独インタビューをメールとツイッターと2ちゃんねるで文通形式でやらせてもらった(とてもユーモアがあって真面目でもあり、すごく好きになりました。)
外国特派員協会で行われた、千葉のセブン-イレブン店主さんの会見・・フランチャイズビジネスの不公平性とコンビニのブラック労働について報道。
他のネットメディアが後追い報道してくれた。あと朝日新聞が、そのあとで二回この人のインタビューに行ったけれどうちの記事の影響かなと思ってる。
政治資金規正法違反報道
竹下亘大臣と舛添要一さん、他8名の政治家について。舛添要一さんの記事は朝日と産経が後追いしてくれた。竹下亘大臣のも、産経が後追いしてくれた。竹下さんの内容はウィキペディアに乗ってる
国際政治:ウクライナ情勢について大使インタビュー
ギリシャ・ウクライナ・ルーマニアで大使にいきなりアポを取った!「ロシアのクリミア侵攻」について聞いた。どの国もそれぞれ、ロシアとの関係が特殊で日本から見るのと違う視点があった。そしてみんな教養があって使命感も強い、本当の「エリート」だった。政治をやる上で自分の中の目標になる人たちです。
目指す社会像
機会の平等と公平な資源配分、効率的な政府にセーフティーネット
機会の平等
まず自分は、そんなに金持ちじゃない。実は家庭の事情でおじいちゃん、おばあちゃんとお母さんの4人暮らしだった。祖父母は引退していたし、母はシングルマザー。全然お金はないし、いろんなことで片親家庭が不利になるのは身にしみて分かった(注:今ではお父さんとの仲もいいです)。
幸い、大学には大検を取得してから入れて東京大学に進学した。法学部生だったけど、文学部の柴田元幸さんなど素晴らしい先生に巡り会えた。だから若い人のために、機会が平等である社会は、確保しておきたい。逆に、自分がハンディのある立場から大学進学までやってこれた日本社会への恩返しのために、公平な環境を作るのは社会的使命と思っています。
公平な資源配分
例えば介護で、今の行政による支えが十分とは言えない。自分の母も、祖母の介護でとても苦労した。税金で担われている社会保障のネットが、公平に配分されないのはおかしいと思ってる。一方で、これまでの取材でいろいろな議員特権とかで裏で一部の人だけが、メリットを享受してる実体も書いてきた。これからは行政の中で、この不公平を是正する側になりたい。
効率的な政府
今の日本の財政状況は厳しくて、これからもドンドンと大変になってくる。だから一部の政治家の政治資金の私的流用や、行政の無駄遣いは改めないと絶対に行けない。
あと一方で、コストをかけないで出来る住民サービスの向上もちゃんとあるからそれをしたいと思っている。例えば民間の保育園などの空き状況をリアルタイムで行政が収集して毎日最新の情報を区のHPにアップするようなことはコストも大してかからないが、住民サービスの向上に大きく寄与できる。
セーフティネット
例えば文京区の区立学校では、区から採用されても経験が浅いと240万円までしか給料が出ない。生活保護よりはよくても、安心して子育てできる環境ではない。
それに、子供の大学進学も実は社会の問題で学ぶ意欲と能力があるのに奨学金(ほとんどローンになっている)を「あげる」仕組みが整備されていない。例えば文京区は財政が豊かなのに、大学進学のための奨学金給付制度が整備されていない。実際、自分も一円も区からはもらわなかった。
これは、親の所得の格差がそのまま子供の学ぶ機会の格差に繋がる社会的不平等だ。
そして教育の結果として(場合によっては教育に関わらず)景気変動などで安定した収入のある恵まれた所得が得られない人がどうしても出てくる。その人本人だけでなく、その家族も含めて、社会全体でフェアに支援する仕組みを整備する必要がある。そしてそれが、今まで自分を育ててくれた日本社会への恩返しだと思う。