Spotlight」は、Macに搭載されたデスクトップ検索機能です。

「Command + スペース」のキーボードショートカットを使うか、メニューバーに常駐する検索用アイコンをクリックすると、Spotlightウィンドウが開き、Mac内に保存されているファイルを見つけ出すことができます。

ビルトイン検索機能としては、Spotlight検索はなかなか便利です。アプリケーションやファイル、フォルダを問題なく開けますし、ウェブ検索や計算、通貨や単位の変換もでき、辞書代わりにもなるなど使い道はさまざま。

それはそれで素晴らしいのですが、サードパーティ製のMac用キーボードランチャーはありとあらゆるものが揃っており、目新しい機能やプラグインが使えますし、カスタマイズの幅も無限です。

仕事にMacを使っている人や、Macのパワーユーザーであれば、キーボードから手を一切動かさずに生産性を上げることができるユーティリティを堪能できるでしょう。

ここで紹介するユーティリティでは、自動化や、クリップボードの管理単語登録カスタム検索の実行設定の変更はもちろん、ウィンドウの並べ替えも可能です。

ただし、その前にやるべきことがあります。

MacのSpotlightのキーボードショートカットを無効化する方法

Spotlightのスクリーンショット
Screenshot: Khamosh Pathak

代わりになるいい方法がほかにあるからといって、Spotlight検索を無効にする必要はありません。メニューバーのアイコンはそのままにしておき、必要な時に使ってもいいのです。

とはいえ、代わりの手段をフル活用するためには、Spotlightのキーボードショートカット(「Command + スペース」)は無効にしておいたほうがいいでしょう。無効化する方法は次のとおりです。

1. 画面上部のメニューバーにあるリンゴのアイコンをクリックし、「システム環境設定」を選択する。

(または、馴染みの方法を使って、「Command + スペース」のショートカットでSpotlight検索を開き、「設定」と入力してもOK。)

2. 「Spotlight」のアイコン(青色の丸が背景の、白色の虫眼鏡マーク)をクリックし、左下にある「キーボードショートカット」をクリックする。

3. 左側にある枠内の「Spotlight」が選択されていることを確認する。それから、右枠内の「Spotlight検索を表示」のチェックを外す。

こうしておけば、「Command + スペース」のキーボードショートカットを叩いても、もう何も起きません。

さて、ここからがお楽しみです。Spotlightの代わりになる、機能がより充実したサードパーティ製ランチャーアプリを紹介しましょう。

以下のアプリはどれも、初期設定の「Command + スペース」ショートカットをそのまま引き継ぐことができます。あるいは、複数のアプリを活用するために別のショートカットを使うことも可能です。

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1. 自動化が売りの『Alfred

Alfredのスクリーンショット
Screenshot: Khamosh Pathak

Alfredは、無料版と有料版があります。無料版は、Spotlight検索を簡素化して使いやすくしたアプリと言えるでしょう。

Spotlight検索と機能は同じですが、使いやすさもスピードもAlfredのほうが上です。とりわけ実力を発揮するのは、ファイルやフォルダを探して開く時です(フォルダ検索用の修飾キーを設定できます)。

けれども、「Powerpack」と称した有料版を購入すると(約4400円)、Alfredは一気に自動化マシンに変身し、クリップボード履歴や単語登録、ホットキーなどの機能が使えるようになります。

そして、何と言っても嬉しいのが自動化機能です(Alfredでは自動化を「ワークフロー」と呼んでいます)。

ワークフローは、Alfred内のわかりやすいフローチャート形式ビルダーを使って作成できます。システム機能やサードパーティのアクション、さらにはウェブAPIを統合して、日常的に行なう作業をクリック1回で実行できるようになります。

Alfredが素晴らしいのは、ワークフローを自力で作成する手間が省けるところ。

活発なオンラインコミュニティがあり、そこでワークフローの作成や共有が行なわれているので、あとはそれを自分のMacにインストールするだけ。これで自動化は達成です。

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2. ウェブ上で働く人向けの『Raycast

Raycastのスクリーンショット2
Screenshot: Khamosh Pathak

Alfredのようなツールはすでに10年前から存在しており、Raycastはこの分野で比較的新入りの部類に入ります。ただし、Raycastが見据えているのは、私たちがほとんどの時間をウェブブラウザ上で過ごす未来です。

「自分のことかな」と思った人は、ぜひRaycastを検討してみましょう。Raycastはまだベータ版ですが、開発が急速に進んでいます。

インターフェースはモダンで洗練されており、アプリケーションの起動から、単位の変換、ファイル検索、ウェブ検索まで、基本的な機能は1つ残らず網羅しています。

ただ、ファイル検索とウェブ検索は、はじめに検索オプションを選択する必要があるので、瞬時に実行可能というわけにはいきません。

Raycastが抜きん出ているのは、ウェブとの統合と生産性関連の機能です。GithubやAsana、G Suite、Zoom、Jira、Calendarと統合可能で、Raycastから離れることなく、接続されているサービスでアクションを実行できます。

Macで上手く機能できるよう、Raycastにはクリップボードマネージャーと、ウィンドウ管理ツールも搭載されています。また、独自のAPIもリリース予定なので、開発者はカスタム統合を作成して、Raycast上で実行可能な共通タスクを追加できます。

ネイティブAPIがベースになるので、そういった機能はおそらく、アプリのコミュニティからインストールしたAlfredのワークフローよりもスムーズでしょう。

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3. 「こんなの欲しかった」が詰まった『LaunchBar

LaunchBarのスクリーンショット
Screenshot: Khamosh Pathak

LaunchBarは、Spotlight検索の「精神的続編」と言えるアプリです。見た目が素晴らしく、基本的な機能も揃っており、何よりすごく速い。LaunchBarはスピードを念頭に、Macユーザー向けに設計されました。

ここで紹介している3つのアプリの中では、マスターするのは一番大変ですが、その山をいったん登り切れば、あとは自由に使いこなせるでしょう。

LaunchBarの目立った美点の1つが、ローカルファイル検索とファイル管理の実装です。Finderなしで、ファイルの検索、移動、コピーが実にスムーズにできます

LaunchBarは、検索機能を実行できることに加え、アプリのスイッチャー代わりにも使えます。LaunchBarを起動したら、スペースキーを使って、開いているアプリを簡単に切り替えることが可能です。

省略名検索では、アルファベットを一文字タイプしただけでアプリを開けます(たとえば「S」とタイプすると「Safari」が開くという具合です)。

Instant Send」は、あらゆるファイルやテキストをLaunchBarにインポートできる機能です。インポート後は、フォルダやアプリ、メールの連絡先に送信するなど、選択肢から選んで作業を進めましょう。

自分に適したキーボードランチャーはどれ?

キーボードランチャー初心者なら、まずはAlfredの無料版を使ってみてください。

仕事でGitHubやAsana、Jiraなどのウェブサービスと統合している人は、Raycastを補助的ツールとして使ってみるのもいいでしょう(異なるキーボードショートカットを割り当てることができます)。

Macでの仕事のスピードアップを図りたいなら(また、プラグインには関心がないという人は)、LaunchBarを選んでおけば間違いありません。検索はスピーディでショートカットもあり、ファイル移動やクリップボード操作もやりやすく、あれこれ揃った一番のおすすめです。

Source: Alfred, Raycast, LaunchBar, Instant Send