「あなた自身よりフォロワーが少ないSNSの専門家を信用してはいけません!」
SNSを知り尽くす男、ガイ・カワサキ氏は、HubSpotのウェビナー(ネット上で行われるWebセミナー)でこう宣言しました。これを基準とするならば、カワサキ氏の意見はまさに重視すべきなのでしょう。なぜなら、氏のフォロワーは、全プラットフォームを合わせると700万人にも上るから。
カワサキ氏は、アップルでチーフ・エバンジェリストを務めたのち、現在はモトローラのアドバイザーを務めています(かつてYahoo!のCEOを断ったこともありました)。著書も多数あり、最新刊は『APE: Author, Publisher Enterpreneur-How to Publish a Book』。ライフハッカーでも彼の仕事術を紹介しています。
さて、では、どうすればいいのか。米「inc.」が取材した「フォロワー700万人超」のカワサキ氏の、フォロワーを獲得するためのアドバイスを紹介します。
1.「昨日」始めよう(Start yesterday)
事業立ち上げ、商品開発、資金集め、発売、販促を計画しているなら、それを順番通りに行うのは避けるべきです。「今や、人生はパラレル。創造、販売、評判の確立を、同時に行う必要があるのです。だから、何かを売ろうと決めたら、販売開始が2日後でも200日後でも、その瞬間から、SNSのプラットフォームを立ち上げるべきです」
2.サービスをセグメントに分ける
カワサキ氏は、非常にわかりやすいスライドを用いて、5つのメディアサービスのコアバリューを定義しました。
- Facebook=人:すでにある程度のつながりがある人とコミュニケーションをとる
- Twitter=認識:評判や可視性を確立する
- Google+=情熱:同じ情熱を持つ人との間で情熱を共有する
- Pinterest=ピン:美しい画像と素晴らしいモノを探す
- LinkedIn=カッコいい:「LinkedInはあなたをアツい人やインフルエンサーにしてくれます」
3.プロフィールは大事
人はあなたをフォローするかどうかを、プロフィールを見て2秒以内に判断します。だから、「その2秒を大切にする必要がある」とカワサキ氏。自分のアバター(プロフィール写真)には特に注意してください。アバターの目的は、あなたの好感度と信頼度を高めること。ゴルフクラブを持ったり配偶者と一緒に写るなど、アバターを通してあなたが誰かという情報を伝えようとするのは間違いです。「90%あなたの顔、というのがベストです」
4.リンクを貼る
たとえば、SNSを使って自分のレストランに客を呼び込みたいとします。そのためには、クーポンやスペシャルメニューばかりを投稿するのではいけません。それよりも、素晴らしいレシピをネット上で見つけたら、そのリンク先を投稿するといいでしょう(ニューヨーク州ラインベックにある私のお気に入りのレストラン「Terrapin 」は、Facebookにパンプキン・マカロニ&チーズの写真を投稿することで、これを実に美しく実践していました。私もいずれ挑戦してみたいと思います)。
5.便乗もアリ!
SNSのトレンドを見極め、関連するコンテンツへのリンクを投稿して流行に便乗するのもアリ。「流行はあなたにとっても役立つ可能性が高い」とカワサキ氏は言います。ただし、エチケットには要注意。たとえば誰かの投稿で、面白いESPNのビデオを見つけたとします。その場合、ESPNに直接リンクを貼るのではなく、その人の投稿へのリンクを貼るようにしましょう。
6.自制せよ
SNSでのコミュニケーションの大半が自分自身や自社商品であってはならないとカワサキ氏は警告します。ベストな割合は人それぞれですが、「自分のこと5%、その他95%ということはあっても、自分のことが50%もあるようではいけません」。
7.写真で目を引く
すべての投稿には、幅400から500ピクセルの画像を付けるべきです。Wikimediaなどを利用してフリー素材を見つけるか、自分で写真を撮るといいでしょう。カワサキ氏の場合、投稿への注目を集めるためにお金を出して写真を買うこともあるそうです。
8.反応する
大手ブランドはこれを怠りがちですが、それは間違いです。あなたの投稿がきっかけで会話が発生したら、必ず参加するようにしましょう。
9.ポジティブを貫くか、口を閉ざすか
厳しい意見やネガティブな意見を投稿することには何の利益もありません。「これをあえてやる"荒らし"がいることは知っています。45歳にもなって両親と住んでいるような人たちです」
その正しさは、数字によって裏付けられています。ジョージア工科大学が、Twitterフォロワーを増やす9つの戦術のひとつに、「ポジティブでいること」を挙げているのです。
10.繰り返し投稿する
SNSの理論でよく取り上げられている方法ですが、カワサキ氏はこれを推奨しており、多くの批判にさらされています。しかし、ここでも数字は嘘をつきません。氏のツイートは、8時間間隔で4回繰り返されていますが、クリック数はいずれもほとんど同じなのです。つまり、1回しかツイートしなければ、4分の3のクリックを逃していたことになります。
「SNSに"絶対"はありません」。たとえば1日に1回しか投稿してはいけないと言われたら、2回投稿してみましょう。その後、3回、4回と増やしてみます。「そして、痛みが発生する場所を見つけます。投稿のし過ぎによって何人かのフォロワーを失うかもしれません。でもそのあとで、もっと多くのフォロワーを獲得して、売り上げを伸ばせる可能性があるのです」。
Guy Kawasaki: 10 Tips for a Huge Social Media Following | inc.
Minda Zetlin(訳:堀込泰三)
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