私は学生時代からかれこれ20年ほど、定期的に欧米での旅行を楽しんできたのですが、どうしても苦痛なのが、長時間のフライト。セレブなビジネスクラスの方はともかく、手狭なエコノミーシートで10時間以上、食べたり寝たりするのはかなりの「苦行」で、目的地に到着する頃には疲労困憊...ということもよく経験しました。そこで、試行錯誤の末に私がたどりついた、疲れにくい長距離フライトの過ごし方を、ご紹介したいと思います。
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フライトは、気ぜわしい日常から自分を解放できる貴重な時間。たとえば、10時間ほぼオフライン状態でいられるとしたら、どんなことをしたいですか? 普段じっくり読めない本や雑誌に目を通す絶好のチャンスですし、目を閉じてぼーっと思いを巡らせると、意外なアイデアが浮かぶかも...。フライトも自分にとっての貴重な時間ととらえ、その過ごし方をスケジューリングしておきましょう。
私は雑誌を読んだり、目的地の言語を勉強したり、頭の中に思いついたことをメモに書き出して「ひとりブレスト」したりしています。時間を有効活用できるのはもちろん、手持ち無沙汰のまま「あと◯時間かぁ...」とストレスを感じながらじっと耐えることがなくなったので、フライトでの精神的な疲れが減りました。
国際線の多くは目的地との時差も考慮し、できるだけヒトの心身に負担がかかりにくいスケジュールで運航されているようですが、ただでさえ疲れやすい長距離フライトに「時差ぼけ」が加わると、どうしても体調を崩しやすくなります。そこで、私が自分に言い聞かせているのは「飛行機に乗った瞬間から、現地と思え」ということ。
飛行機に乗ったら、目的地の時刻にあわせて「今現地は深夜だから、とりあえず寝る体勢になっておこう」とか、「明け方にこんなに食べちゃ体によくない...もったいないけど、この料理は残そう」など、食べる量や眠る時間を調整するようにしています。これを実践する前は、目的地に着くと胃のあたりが不快で、頭もぼーっとしがちだったのですが、このように調整するようになって以来、かなり改善されて楽になりました。
いわずもがな、機内は乾燥しやすい空間。普段よりもこまめに水分を摂るのが基本です。フライト中に提供される水やジュースでもいいですが、私は念のため、ミネラルウォーターを座席のポケットに入れて、いつでも飲めるように備えています。
また、首や肩をストレッチするなど、意識して体を動かすこともポイント。トイレと行き来するだけでも、多少体はほぐれます。私はいつでも気兼ねなくトイレに行けるよう、可能な限り窓側のシートをお願いしていますが、やむをえず内側のシートになったときは、お隣さんと仲良くなって、「ちょっと、すみません」が言いやすい環境を作るようにしています(笑)。
このほか、小さなコツとしては、次のようなことを実践しています。
- 席では靴を脱いで、厚手の靴下に履き替える。
- マスクでノドや鼻を守る。
- 腰にクッションを当てる。枕でもいいが、意外と袋に詰めた着替えが、クッション代わりになる。
- 空席があると「我先に」と移動したくなるものだが、しばらく待つ。たとえば、お隣さんが移動してくれれば、自分は移動せずに自然と隣の席が空く。
皆さんも、長旅のコツをぜひ聞かせてくださいね!
(松岡由希子)