多彩に旅案内
3月の旅。千葉・富津市で一足早い潮干狩り。「一期一湯」は宮崎・えびの市の京町温泉。街道を歩く」日光例幣使街道その三
好評です毎週水曜日の「つり」
6月は和歌山・日高川支流のアユ、千葉・大原沖のイサキ、京都・美山川のヤマメなどを予定
<3月 たび/千葉県富津市/東京湾で春の潮干狩りへ(記事を読む)>
3月の旅から紹介です。5日付は千葉・富津市です。春の東京湾に面した富津海岸で、一足早い潮干狩りと海沿い温泉を楽しみました。
12日付の「一期一湯」は宮崎・えびの市の京町温泉です。霧島連山の絶景を満喫し、カルデラの中に広がる米どころでおいしいお米をいただきました。
19日付の「街道を歩く」日光例幣使街道その三は、群馬・太田市から栃木・佐野市を歩きました。例幣使たちの驚きのエピソードが残る神社や宿場跡を巡りました。
<2月 ツルシのぶらり探訪 千葉県旭市/不屈の女性共産党員 没後90年(記事を読む)>
釣りが大好きな赤旗応援団による釣行記を、日刊紙の水曜付と、日曜版に月1回掲載します。日刊紙は、6月は和歌山・日高川支流のアユ、千葉・大原沖のイサキ、京都・美山川のヤマメなどを予定しています。
日曜版では、イラスト付きエッセイ「森越ハムの全力ゆる釣り日記」(毎月第4日曜)が好評連載中です。
<5月 つり メバル 愛媛 今治、波方沖/疑似バリ使い、試行錯誤 流す角度を繊細に(記事を読む)>
<4月 つり タチウオ 静岡 清水港/キラキラ姿にほれぼれ ドラゴン級2キロ超(記事を読む)>
釣りたよりは「赤旗」日刊紙の地方版に掲載しています。
◎たび/千葉県富津市/東京湾で春の潮干狩りへ
心なしか、日差しも温かみを増してきた今日この頃。この時期は妻と一緒に、房総半島の千葉県富津(ふっつ)市へ潮干狩りに行くのが毎年の楽しみです。
富津海岸は東京湾で最も早く潮干狩りが楽しめるそうで、今年は3月15日から7月31日まで潮干狩り場が開設されます。
料金は、中学生以上2200円(約2キロの網付き)、小学生以下は1100円(約1キロの網付き)。熊手と、持ち帰り用のクーラーボックスは自分で用意する必要があります。春先はまだ少し寒いので、防寒着を持って行くこと。履物は長靴がいいでしょう。
潮干狩りのコツは、浅く広く探ることです。アサリを見つけた時は、まるで宝物を発見したかのような気分です。
汐見(しおみ)表で、潮干狩りに行く日の干潮時間を調べておくことも重要です。潮干狩りは潮が引いている4~6時間しかできないので、予定を立てる段階で調べましょう。富津漁業協同組合のホームページには、シーズンの干満時間が分かりやすく載っています。
潮干狩り前後のランチには、地元の名物料理も味わいましょう。イチオシは「はかりめ丼」です。どんな料理? と思うでしょうが、ざっくりと言えば煮あなご丼です。富津特産のアナゴの体側にある点々が、昔の天秤はかりの棒についた目盛りのように見えることから、この名前があります。
市内の数店舗で提供していますが、今回訪ねた店では、通常の煮あなごと、天然塩とレモンで味付けしたあなごの2種を一緒に味わえる「2色丼」が一番人気でした。どちらの丼のあなごも、ふっくらふわふわの食感。ウナギほど脂っこくなく、あっさりした味わいです。1日10食限定なので予約をして行くのがいいでしょう。
最後は温泉に入ってさっぱりして帰るのもおすすめです。潮干狩り場から車で40分ほどの金谷エリアでは、数カ所の施設で日帰り入浴が楽しめます。とりわけ三浦半島方面へフェリーで帰宅する方には港からも近くておすすめです。潮干狩りで潮風を浴び、少々ベタついた体も、さっぱり爽快!
帰宅したらアサリの砂抜きをして、酒蒸しやバター焼きなどで味わいましょう。自分で砂を掘って収穫したアサリの味わいは格別で、潮干狩りの楽しい思い出がよみがえります。この味が「また来年も行こう」という気分にさせてくれるのですね。
飯塚玲児
【交通】富津海岸潮干狩場へは、JR内房線青堀駅から富津公園行きバスで約15分の「公園入口」下車。車は、館山自動車道木更津南ICから国道16号線経由で約20分
【問い合わせ】
富津漁業協同組合 電話0439(87)2121
富津市観光協会 電話0439(80)1291
(3月5日付)
◎ツルシのぶらり探訪 千葉県旭市/不屈の女性共産党員 没後90年
九十九里平野の北端に位置する千葉県旭市を訪れました。戦前の日本共産党員、飯島喜美(きみ)(1911~35年)の故郷です。
JR旭駅から10分ほど歩き、仁玉(にったま)川にかかる竜慶寺橋を渡ると、郷金(ごうきん)旅館があります。ここが喜美の生家があった場所です。父は提灯(ちょうちん)職人で生活は困窮していました。
喜美は小学校を卒業して女中奉公に出た後、15歳で東京モスリン紡織・亀戸工場に入社し、女工として働き始めます。
寄宿舎生活をしながら、労働問題や科学的社会主義を学ぶ研究会に参加。女性労働者への搾取の根源や、社会は変えられることを学びます。女性労働者500人が結集した賃上げ要求ストライキでは、先頭に立ちました。
17歳で日本共産党に入党。1930年にモスクワで開催された、プロフィンテルン(国際的な労働組合組織)第5回大会では、日本の女性労働者の劣悪な状態を告発する演説を行いました。
さらに現地にとどまった喜美は1年間、クートベ(勤労者共産主義大学)で科学的社会主義理論を本格的に学びました。
帰国後、日本共産党の中央婦人部の任務に就き、『赤旗(せっき)』付録に婦人欄を設けるなど、重責を担いました。
33年、治安維持法違反で特高警察に検挙され、拷問によって体調を壊し、肺結核を発症。35年、手当てもされず栃木刑務支所で獄死しました。命日は、24歳の誕生日の翌日の12月18日でした。
今年は喜美の没後90年にあたります。2024年、旭市にある日本共産党千葉県北部地区委員会の前庭に、飯島喜美顕彰碑が建立されました。
碑には「不屈の日本共産党員 女工哀史を超えた紡績女工」「飯島喜美顕彰碑」と刻まれています。略歴が刻まれた副碑には、喜美の顔と遺品の「闘争/死」と刻まれたコンパクトも彫り込まれています。顕彰碑のそばには見学者が利用できる休憩所もあります。
治安維持法犠牲者国家賠償要求同盟(国賠同盟)千葉県本部会長の小松実さんは、「飯島喜美の生涯と足跡は、社会進歩を目指すものにとって大きな誇りであり、私たちを励ます指針です。今に生かし、後世に伝えていきたい」と話します。
大坊幸蔵(だいぼうこうぞう)寺には飯島家の墓所があり、「感謝 IIJIMA」と刻まれた墓石が立っています。
治安維持法で国民を弾圧し、侵略戦争に突き進んだ歴史を、胸に焼きつけて帰路につきました。今年は治安維持法の施行100年の節目にあたります。
ツルシカズヒコ
【交通】旭駅へは、東京駅からJR総武線・特急で約90分。日本共産党千葉県北部地区委員会までは旭駅から徒歩6分
【問い合わせ】国賠同盟千葉県本部会長・小松実TEL090(3906)1026
(2月12日付)
◎つり メバル 愛媛 今治、波方沖/疑似バリ使い、試行錯誤 流す角度を繊細に
釣りをしない人でも、ロバート・レッドフォード監督、ブラッド・ピット出演の名作映画「リバー・ランズ・スルー・イット」を見たことがあれば、大きなマスを狙う際に、体に止まった羽虫に合わせて毛バリを選ぶシーンを記憶している人がいるかもしれません。これをフライフィッシングの用語で「マッチ・ザ・ハッチ」といいます。
私は10代の頃から釣りにはまり、約40年、趣味にしています。「釣りは答え合わせ」という言葉を耳にしたことがありますが、私にとっての釣りは「マッチ・ザ・○○」の○○を探す旅です。
その○○を、限られた釣り時間の中で一生懸命考えて試行錯誤し、釣果につなげていくのが、なんとも楽しいのです。
古くからの釣友はさまざまな対象魚で釣り船を営んでいます。今シーズン、メバル釣りに3回連れて行ってくれました。
3回目の4月末、大潮の午前6時半に今治市の大浜漁港を出船。同市の波方沖のポイントを回ります。釣り方は瀬戸内式サビキメバル釣法。サバ皮などで作った色とりどりの疑似バリ5~7本とオモリだけの仕掛けです。エサは使いません。
最初のポイントで良いアタリがあり、28センチほどのマダイを2連掛け。これは良い予感と思いきや、その後は海底にコンタクトしたときに食ってくる、キープサイズのカサゴばかり。友人は何かブツブツつぶやきながら試行錯誤し、大きくサオをしならせて良型メバルを連掛けしています。
使っているサビキバリを、友人と同じ緑と白の混合に合わせても、釣れ方は変わりません。「どう違うんだろうね?」と聞いても、ここは教えてくれない領域です。
試行錯誤し、終盤にようやくヒントを得ました。お互いのイトが絡んでたぐり寄せたときに、友人は軽いオモリを使っていたのです。25号のオモリしか持っていない私は、なんとか潮の流れに乗せる演出をしました。すると連掛けはできないものの、キープサイズのメバルが釣れだしました。
メバルは目が良く、仕掛けのイトが見えると食ってきません。より繊細な釣りが必要で、流す角度が重要だったようです。午後3時に納竿(のうかん)。
この日はハリス0・8号を使っていましたが、より細い0・6号で良い釣果を得たという話も聞きました。私の釣果はマダイ28センチ2尾、メバル18~21センチ5尾、カサゴ18~22センチ9尾。答え合わせの旅は今後も続きます。(愛媛・玉川釣人)
(5月21日付)
◎つり タチウオ 静岡 清水港/キラキラ姿にほれぼれ ドラゴン級2キロ超
3月下旬、クーラーボックスいっぱいのタチウオの画像と一緒に、M船長から「清水港内で昼間、タチウオが釣れ始めた」との連絡。3月30日午前4時、清水港の折戸桟橋(静岡市清水区折戸)から出船しました。日曜日とあって、ボートが所狭しと浮かんでいます。
しばらくジギングで様子を見るも反応がありません。周りも釣れていないようで、しきりに動き回っています。いったんタチウオを諦め、イカ狙いで港外へ出ました。
明るくなった8時ごろ、M船長の僚船から「タチウオが釣れ始めた」と無線が入り、急いで港内に戻りました。ジグを25~30メートルほどの海底まで落とし、ワンピッチでリズミカルにシャクリ上げます。ガツンとタチウオがジグに食い付きました。アワセを入れて巻き上げます。久しぶりにタチウオを船上に抜き上げました。キラキラと輝く姿はいつ見ても美しい。
タチウオの群れは、たくさんの船のエンジン音に驚いて忙しく動き回っているようで、すぐにいなくなりました。M船長は魚群探知機と僚船からの情報を合わせ、動きを予測。先回りして待ち伏せをしました。
M船長の上手な読みでヒットするものの、1尾釣れると群れはまたどこかへ行ってしまいます。何度かジグを落としていく途中でサオが揺れ、ラインが浮き上がりました。「アタリだ!」。しかし、アワセられません。
何回か空振りした後、思い切ってアワセるとガツンと大きなショック。リールが巻けず、サオが引き込まれます。密集した周りの船からも興味津々の声が聞こえます。魚が暴れるので、しばらくいなしてからリールを少しずつ巻き上げます。
20メートルほど上げたところでまた動かなくなりました。船底に隠れたようです。船べりから身を乗り出し、サオを海中に突っ込んで耐えます。もう少しで姿が見えるところでガクンとショック。バレたかと一瞬ヒヤリとしましたが、リールを巻くとまだ重く、リーダーをつかんで一気に船上へ引きずり上げました。
でかい。周りの船から拍手が起きました。指幅7本分の2・2キログラムでした。大きな顔と、特に目、口、歯はドラゴンと呼ぶにふさわしい姿です。
釣果は、私がドラゴンサイズと指幅4~5本を6尾、M船長も指幅4~5本を7尾でした。風が吹いて波が立ち始めたので正午に終了しました。(静岡・平和の釣人)
(4月16日付)