「iPhone 16e」のカメラってどう？　iPhone 16と比較しつつ試す：荻窪圭の携帯カメラでこう遊べ（1/3 ページ）

[荻窪圭，ITmedia]

　廉価版のiPhoneが「iPhone SE」から「iPhone 16e」となり、いよいよ現行モデルからホームボタン（Touch ID）搭載機がなくなった。ほとんどの人が「ちょっと慣れればホームボタンってなくても困らんもんだったな」となりそうけど、この手のデジタル機器の操作が苦手な方々にとって「困ったら取りあえずこれを押せば最初の画面に戻るから大丈夫」ボタンがなくなるのは厄介という意見には非常にうなずけるところがある。

　いっそのことホームボタンがついている「らくらくiPhone」でも出すべきではないかと思ったり思わなかったりする（絶対に出ないだろうけど）わけですが、ここでするのはカメラの話。

　iPhone 16eのアウトカメラはシングル構成だけど、デュアル構成の「iPhone 16」（使ったのは大きい方の「iPhone 16 Plus」だけど、カメラ性能はiPhone 16と同じ）は、どう違うのか徹底比較してみるのである。

実は細かい所に違いのある「iPhone 16e」のカメラ

　iPhone 16／16 Plus（以降、まとめて「iPhone 16」）とiPhone 16e。たぶん、気になるのは両者の違いだろうからそこからチェック。

　誰でも分かる違いはアウトカメラの数。具体的には超広角カメラの有無なのだけど、まあそれはいまさら言うまでもないので略す。もう、どうしようもない明らかな違いだからね。

　iPhone 16ファミリーから採用された側面の「カメラコントロール」もない。アクションボタンはあるけど、カメラコントロールはない――これもまた小さな見た目で分かる違いだ。あればあったで便利だけど（片方をカメラの起動に、片方をビジュアルインテリジェンスの起動に割り当ていると便利）、ないと困るかというと、そうでもない感じ。

　そして、もう1つ大きな違いがある。カメラアプリの機能だ。

　iPhone 16は「新しいフォトグラフスタイル」に対応しており、フォトスタイルの微調整ができたり、HEIFで保存していれば編集時に調整しなおして好みの色合いにしたりできる。実はこれ、撮ったあとで微調整するのによく使っている。

　一方、iPhone 16eはApple Intelligenceには対応しつつも、カメラ機能は「古いフォトグラフスタイル」＋「フィルター」という構成だ。

　それで困る人はあまりいないだろうけど、なぜ旧型なのかはちょっと分からない。最近は、撮影時に好みの色合いに調整して撮るのがトレンドと聞くので、これはちょっと残念。

　ちなみiPhone 16や「iPhone 16 Pro」で撮った写真なら、iPhone 16eでも「新しいフォトグラフスタイル」で編集できる。

　もう1つ、機能面の違いとしてマクロ撮影も挙げておきたい。

　iPhone 16の超広角カメラにはオートフォーカス（AF）機構がついており、至近距離での撮影も可能だ。ゆえにマクロ撮影機能（近接撮影機能）でも使われており、メイン（広角）カメラである程度以上近づくと、自動的に超広角カメラを使ったマクロモードに切り替わる（オン／オフ可能）。

　そうすると、超広角カメラの（倍率に応じた）中央部だけを撮影に使うので画質は落ちるが、より近づける、広い範囲にピントが合うというメリットがある。

　一方、iPhone 16eには超広角カメラがない。ただ、センサーサイズがiPhone 16より小さいこともあり、マクロモードにしなくても、ある程度近づいて撮れる。超が付くほど近づいて撮りたいとき以外は問題ないかと思う。

　「マクロだなんだかんだと切り替えるのめんどくさい」って人は、iPhone 16eの方がいいかも。

　ちなみにiPhone 16eとiPhone 16のマクロ機能（この距離で撮ろうとしたら自動的にマクロがオンになった）で撮り比べ。このケースだとiPhone 16eの方が画質がいいのだ。

　どのくらい近寄れるかなとiPhone 16eでピントが合うギリギリまで近づいて撮ってみた。結構寄っても大丈夫なのが分かる。

　これ以上近づいて撮りたいときは、マクロモードがないiPhone 16eは不利だけど、普通はここまで寄れれば十分だよね。

　まあ要するに、iPhone 16eはマクロ機能はないけど、「カメラが1つしかない」から余計なことは考えないで撮ってOK、というiPhone 16eらしい結論で終わるのだった。