人気のパスワード管理製品BitwardenにPDFファイルを通じて悪意あるJavaScriptを実行できるXSSの脆弱性が見つかった。PoCが公開されており、サイバー攻撃者による悪用リスクが高まっているため注意が必要だ。
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「GitHub」で「XU」(YZS17)として活動するエンジニア(以降、XU氏と表記)が公開した情報によると、パスワードマネジメントプラットフォーム「Bitwarden」でファイルアップロード機能に関するクロスサイトスクリプティング(XSS)の脆弱(ぜいじゃく)性が存在することが分かった。
同脆弱性は攻撃者が細工したPDFファイルをアップロードすることで、悪意あるJavaScriptコードを実行できる可能性がある。
報告されている脆弱性のCVE情報は以下の通りだ。
影響を受けるBitwardenのバージョンは以下の通りだ。
XU氏はGitHubに既にPoC(概念実証)を公開しており、攻撃手順を具体的に説明している。この脆弱性についてベンダーに早期に報告しているが、返答は得られなかったという。
XSS脆弱性により、アカウント乗っ取りや認証情報の窃取、被害者の権限を使った不正操作といった被害が発生するリスクがある。特に、ユーザーの操作によってPDFが新規タブやウィンドウで開かれた場合、悪意あるコードが実行されやすくなる。PoCが公開されたことで、この脆弱性が攻撃者に悪用されるリスクが高まっている。
影響を受ける可能性のあるユーザーおよび組織はBitwardenを速やかに最新版にアップデートすることが推奨されている。加えてアップロードされるファイルの種類や内容のチェック、不正なファイルを検出してブロックするための仕組みを導入するなどの追加の対策を実施することも望まれている。
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