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“Windowsの呪縛”から逃れた超小型マシン――シャープ「NetWalker」に迫る409グラムで10時間駆動(1/3 ページ)

» 2009年08月27日 15時38分 公開
[瓜生聖,ITmedia]
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Windowsの呪縛から逃れた超小型マシン

Zaurusではなく、新ブランドとして登場した「NetWalker PC-Z1」。5型ワイド液晶(1024×600ドット)を搭載し、わずか409グラムという小型軽量ボディを実現した。実売価格は4万4800円前後

 8月27日にシャープが発表した超小型マシン「NetWalker」は、MID(Mobile Internet Device)にカテゴライズされる製品だ。OSにはWindowsではなく、カスタマイズ版のubuntu 9.04が採用されている。その結果、「CPUのx86互換性」「1Gバイト超のメインメモリ」「数ギガバイトオーバーの内蔵ストレージ」という、Windowsによって引き上げられてしまう要求スペックの制限から逃れ、大幅な小型軽量化と長時間バッテリー駆動を実現している。それでは早速レビューしていこう。なお、今回の評価は試作機で行ったため、発売までに一部仕様が変更・改善される可能性があることを付け加えておく。

 NetWalkerのCPUは、Netbookに見られるAtomベースのプロセッサではなく、ARM Cortex A8をベースにマルチメディア機能を統合したFreescale i.MX515を採用している。CPUクロックは800MHz、メインメモリ512Mバイト固定、内蔵ストレージは4ギガバイトフラッシュメモリ(うちユーザーエリア約2ギガバイト)だ。低スペックのNetbookと比較しても非力な環境ではあるが、動画再生にも十分なパフォーマンスを発揮する一方で、約10時間のバッテリー駆動時間を実現し、さらにわずか409グラムという超軽量化も果たしている。ネットワーク機能は内蔵モジュールにより802.11b/gに対応する。

 拡張用インタフェースとしては、本体左側にUSB 2.0ポートが1つ、右側にUSB 2.0 miniABポートが1つ、計2ポートを搭載する。USB 2.0 miniABコネクタはホスト・クライアント両方に使用されるコネクタだが、NetWalkerでサポートされているのはホスト機能のみ、つまり周辺機器を接続するためのインタフェースとして使用することになる。

左側面にはUSB 2.0ポートとイヤフォン端子が見える。バッテリーを内蔵したヒンジ部が巨大に見えるほどの小型筐体だ(写真=左)。右側面はUSB 2.0miniABコネクタとACアダプタ、ストラップホルダーが並ぶ(写真=右)。

ヒンジはかなり固いが、特に指をかけるところがあるわけではなく、ちょっと開けづらい(写真=左)。microSD/microSDHCカードスロットは本体底面にある。携帯電話のスロットに似た扱いのようだ(写真=右)

 内蔵ストレージは4ギガバイトのフラッシュメモリだが、microSD/microSDHCスロットが本体底面に用意されている。あまり頻繁に差し替えることは考慮してはいないようだ。なお、現在microSDHCは16ギガバイトで実売5000円前後と、非常に安価になっており、単純に増設内蔵ストレージとして使えばよいだろう。

カラーバリエーションは白、赤、黒の3色。バッテリーを内蔵するヒンジ部がアクセントになっている(写真=左)。フリースケールのサイトに掲載されているFreescale i.MX515の詳細。ARM Cortex A8をベースにOpenGL ES 2.0/OpenVG 1.1ハードウェアアクセラレーションなど、マルチメディア機能を統合している(画面=中央)。/proc/cpuinfoの内容。プロセッサARMv7、BogoMIPSは約800だ(画面=右)

VAIO type P、ポメラ、電子辞書……写真でボディサイズを比較

 ここではソニーの「VAIO type P」、キングジムの「ポメラ」、そしてシャープ製の電子辞書とボディサイズを比べてみた。

ソニーのVAIO Type Pと比べると奥行きはほぼ同じだが、幅が3分の2程度しかない(写真=左)。開いてみるとヒンジ部やオプティカルポイントなどに大きくスペースを取られているため、キーが詰まっている(写真=右)

ポメラとの比較。変形機構を持つポメラと単純比較することは難しいが、NetWalkerのほうがフットプリントは小さくコンパクトだ。ただしキーボードはポメラに軍配があがる(写真=左/右)

外見だけを見ると一番近いのは同社製の電子辞書だ。サイズもほぼ同じ

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