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辿り着いた移籍後初ゴールも…「嬉しくないです」 苦労人25歳が抱いた複雑な感情「タイミング悪いなと」

長倉幹樹が新潟戦で同点ゴールを決めた【写真:Getty Images】
長倉幹樹が新潟戦で同点ゴールを決めた【写真:Getty Images】

長倉幹樹が昨季まで所属した新潟相手に同点弾

 浦和レッズのFW長倉幹樹は5月11日のJ1リーグ第16節アルビレックス新潟戦で、移籍加入後の初ゴールを決め、試合を1-1の引き分けに持ち込んだ。一方で、昨季まで所属した古巣との対戦だっただけに「タイミングが悪いなと思いました」と苦笑いだった。

 浦和は後半29分に先制を許すと、同33分に長倉を投入した。そして2分後、右サイドからDF石原広教が上げたクロスが相手守備網の間に落ちてくる絶妙なものになり、長倉が飛び込んで頭で合わせた。「飛び込んでいった感じでした。ボールに合わせて入っていこうかなと思ったので、上手く合わせられて良かったです」という貴重な同点ゴールにより浦和は敗戦を免れ、1-1の引き分けで試合を終えた。

 長倉にとっては今季に向け移籍加入した浦和での初ゴールだったが、その喜びの表現は控えめだった。その理由は、新潟が昨季まで所属した古巣だったからだ。

 埼玉県出身で、中学から高校までは浦和レッズの下部組織で過ごした。同期にはDF橋岡大樹やDF荻原拓也といった2018年のトップ昇格を勝ち取って海外でのキャリアを積んだ選手もいるが、自身は昇格を果たせずに順天堂大学へ進んだ。

 それでも卒業後のJリーグ入りはならず、関東リーグ1部の東京ユナイテッドへ。最初の半年間でゴールを量産すると、22年夏に浦和ユース時代の監督だった大槻毅氏が指揮していた当時J2のザスパクサツ群馬からオファーが届いた。そして翌年の夏にはJ1の新潟へと移籍。24年にはルヴァン杯での得点王に輝き、今季に向け育成年代を過ごした浦和へあらためて完全移籍していた。

 そうしたキャリアだっただけに、勝利を目指してプレーしたのは前提としたうえで「このスタジアムに帰ってきて、このスタジアムが好きですし、でも相手としてプレーするのは好きじゃないので、そういう感情でした」という複雑な感情もあった。だからこそ、移籍後初ゴールがアウェーでの古巣対決という巡り合わせに「タイミングが悪いなと思いました」と苦笑い。「相手が新潟で、このビッグスワンで相手としての得点となると、嬉しくないです」と複雑な表情で心持ちを語った。

 ゴール後の喜び爆発とはいかないシチュエーションになった長倉だが、「シーズンの1点目を取ってからは気持ち的に全然違うと思うので、ここから勢いと言うか、活躍できるようにやっていきたい」とも話した。今季の浦和で途中出場の選手がゴールしたのは2回目であり、課題になっていた交代選手の活躍という要素が勝ち点を呼び込んだ。まずは切り札としての活躍を見せつつ、浦和での存在感を大きくしていきたいところだ。

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